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家に帰って、1人のリビングで成亮と呼ぶイメトレをする。



「ただいまー。」



わっ!成亮さん帰ってきちゃった!



「あっ、お、おかえりっ!」



「何?どうしたの?
もしかして、また変な物貰ってきたとか…?」



「貰ってないよ!何でもないから。」



成亮さん、エマに対しての警戒心がスゴいな…

まぁ、当たり前と言ったら当たり前だけどさ。



「じゃあ、どっか具合でも悪い?」



カバンを置いて近づいた成亮さんは、私のオデコに手を当てた。



「だから、何でもないって!」



私の抗議なんてお構い無しに、今度はその手を私の手首に移動させる。



「本当だ。今日は本当に何でもないみたい。
お友達のところ、楽しかった?」



「うん!久しぶりに3人でゆっくりおしゃべりできたの。」



「そっか。良かったね。」



こういう何気ないときに見せる笑顔に、ドキッとさせられる。

そして益々、さん付けを卒業して、彼をもっと近くに感じたくなる。

深呼吸して、覚悟を決めた。




「し…しげあきん!」



…名前のところで止まれなかった。というか、なに?しげあきんって。

新種の菌か!


「しげあきんって…誰からその話聞いたの?
手越?」



え?まさかの「しげあきん」実在した?!



「あれでしょ?俺が風邪引いたときに、手越が命名したヤツ。
って、違った?」



しげあきんのが存在した事実に驚きながらも、怪しまれないために首を縦に振る。



「ったく、手越のヤツ。変なこと吹き込んで!」



ごめんなさい、手越さん。濡れ衣着せちゃいました。

もう一回、挑戦するか!



「成亮……」



ダメだ。ものすごく成亮さんから見られている。



「…さん」



その圧に負けて、「さん」が口から出ていってしまった。



「なに?やっぱり何かあったでしょ。」



堪えきれないように笑いながら、成亮さんは私の隣に腰掛けた。




「別になんでもないって。
シゲさん!」



……………。

違う!抜けて欲しいのは「アキ」部分じゃなくて「さん」!!

恥ずかしさで、成亮さんの顔を見れない。

しばらく気まずいことこの上ない沈黙が続く。

先に沈黙を破ったのは、成亮さんの方だった。

・→←さん付け卒業したい!



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ぱる - いつも楽しく読ませていただいています!リクエストなのですが、主人公ちゃんが高熱が出てしまって、辛くて成亮くんに伝えようと思うけど、成亮くんが忙しくて主人公ちゃんが言えなくて、成亮くんが家にいない時に家の中で倒れちゃうようなお話が読みたいです! (2019年9月14日 18時) (レス) id: d682aba4cc (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話大好きです!!何度も読み返してます^ ^更新楽しみにしています! (2019年8月29日 4時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)
さくら - このお話とても好きです(*^^*)更新楽しみにしています!大変だと思いますが無理せず頑張ってください! (2019年6月2日 10時) (レス) id: 6473092b8f (このIDを非表示/違反報告)
なや - 更新待ってます (2019年4月7日 9時) (レス) id: 370aedeca5 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 加藤さんが優しくてとても楽しく読めました。また優しい加藤さんのお話待ってます。 (2019年3月13日 18時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2018年9月28日 22時

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