私と義兄の家族日記 (ページ9)

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サボりページ9

sideシゲ

ったく、なんで今日の寝癖はこんなに直りにくいんだよ！

自分の髪に文句をつけながら、通学路をひたすら走る。

これでは、隣に住んでいる幼馴染を笑うこともできない。

信号待ちで息を切らしていると、ふと奥の方に乗車中のバスと、それに乗ろうとしている例の幼馴染の姿が見えた。

別に、いつもなら気にすることなんて無かっただろう。

しかし、最近のAの様子を見ていると、放っておくことなんかできなかった。

よし、まだ間に合う。

信号が変わった瞬間に再び走り出して、俺はバスに飛び乗った。

「こんなところで、何してんだよ。」

幸いバスは空いていて、Aの隣を陣取ることができた。

「そっちこそ。息切れしてんじゃん。
いっつも私のこと笑ってるくせに、人のこと言えないね。」

「うっせー、今日はたまたま寝癖が直らなかっただけだし。」

「シゲに似たんじゃない？ひねくれてるところ笑」

ニコニコ笑ってはいるけど、やっぱりいつものAではない。

「どこに行くつもり？」

「さ～、どこ行く？
っていうか、学校はいいの？」

「なんだよ、決めてないのかよ。
サボり。お前だってサボってんだろ？」

「まあね～、後でまっすーキレそうだわ。
このバスってどこ行き？」

「知らないで乗ってたのかよ。
繁華街の方だよ。」

貼ってある路線図を見て、教えてやる。

「ラッキー、遊べるじゃん！」

話すことはいつものAと変わりない。

でも、どこか違うんだ。

それに、なんでAはバスに乗ったんだろう。