私と義兄の家族日記 (ページ7)

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夕方、家に一人でいると、なんだか無性に悲しくなってきた。

学校も、いつもと何一つ変わらないのに、お姉ちゃんだけが存在しない。

"ただいま"なんて言って、帰ってきそうな気がするけど、そんなことはあり得ない。

どっかで時間を潰してくればよかったな。

「ただいま」

あ、慶ちゃんが帰ってきた。

なんとなく寂しさを紛らわせたくて、玄関までお出迎えにいくと、そこには重そうなスーパーの袋をぶら下げた慶ちゃんがいた。

「おかえり。どうしたの？その袋。」

「今日は早く仕事があがれたから、ご飯作ろうかなって思って。
成長期の子に、いつまでも買ってきた弁当とか惣菜を食べさせる訳にはいかないでしょ？」

「…手伝うよ。」

やっぱり、二人きりだと

「ありがと。」

「なに作るの？」

「パスタ。ほら、麺とソース買ってきたから、すぐできるよ。」

そう言って、慶ちゃんは自信満々にパスタの乾麺と、袋に入ったミートソースを見せてきた。

「それ、料理っていうの？」

でも、そんな天然をかましてくる慶ちゃんのおかげで、少しだけいつもの調子を取り戻せたから、感謝しておこう。

「コンロ使ってれば料理でしょ。
それに、絶対に失敗しないし。
朝ごはん、ゴメンね？まずかったでしょ。」

「ううん。全然大丈夫。
それより、パスタソース１つしか買ってないみたいだけど、足りるの？」

「ああ、うん。
俺はパスタじゃなくて別の作って食べるから。」

そう言って、慶ちゃんは袋からお肉と野菜を出した。

どうりで、パスタだけにしては袋が重そうだと思ったんだよな。

「そういうことなら、私も同じやつ食べるよ。」

「ダメ。初めてで失敗すると思うから。」

「いいじゃん、一緒に作って、一緒にまずいの食べようよ。」

慶ちゃんはしばらく迷っていたけど、私が言い出したら聞かないことを思い出し、あきらめた。

「食べられない程でも知らないよ？」

慶ちゃんが呆れたように笑う。

「大丈夫、火が通ってたらお腹壊さない。」