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sideA



翌日の放課後、さっそく話し合いがスタートしたけれど、部屋に流れる空気はぎこちない。

増田くんも留年の脅しには勝てなかったようで、ちゃんと参加している。




"お前ら、やってるか?"




急に部屋に様子を見に来たやまぴーがホワイトボードに書く。




"見りゃわかんだろ?"




ムスッしながら返す増田くんに、やまぴーは苦笑い。

そしてそのあと、何か閃いたかのようにパッと顔を明るくした。




"お前ら、明日予定あるか?"




全員が"ない"と書いたボードをだす。




"明日の土曜日、文化祭の企画のヒントをもらいに遊園地に行くぞ"





相変わらず突拍子もない。

だいたい、遊園地でヒントもらうとか、遊園地にはヒントなんてないでしょ。

教室にアトラクションでも建築するつもり?

まあ、おそらく私たちを打ち解けさせたいっていうのが目的だろうけど。




"俺、パス。"




"俺も"




"強制参加。予定ないんだろ?"




増田くんと加藤くんをバッサリ切るやまぴー。

どれだけ強引なの?笑





"私、体のことがあるから親から許可でないと思う。"



心配性のお母さんは、私が外に出るのをとにかく嫌う。

四人のことをもっと知りたいからいってみたい気持ちもあるけど、たぶん無理だろう。




"そこは俺が話をつけておく。"




どう話をつけると言うんだろうか?

ま、任せるしかないか。




"明日の10時、遊園地のゲートの前に集合。"




そう書き残し、やまぴーは部屋を出ていった。

あまりのことに、あちこちから笑みがこぼれる。




"ありえねー。強引すぎんだろ。あんなヤツ初めて"




なんてボードに書いている増田くんも、その顔はどこか楽しそうだ。

しかし、ただ一人、加藤くんだけは固い表情を崩さなかった。

そういえば、加藤くんが笑ったところを私は見たことがない。

笑わないことにも、なにか理由はあるんだろうか。

そして、いつかその理由を知ることができる日はくるんだろうか?

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momo(プロフ) - これから、どこに発展していくのかめっちゃ気になります!お話の更新待ってます! (2021年9月19日 9時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
新世 - すごく面白いです!書いて会話するのがじれったくてドキドキしました!!シゲがどうしたのか続きが気になります。頑張ってくださいね! (2017年11月7日 8時) (レス) id: ad8532904c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2017年9月11日 20時

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