検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:28,892 hit

12 ページ12

sideA




"目、真っ赤だよ"




ひとしきり泣いたあとで、手越くんが笑いながらボードを見せる。




"人のこと、言えないからね"




手越くんだって、真っ赤な目になっている。




"こりゃ、まだあっちとは合流できないね。"




苦笑いでボードを見せる手越くんに私も頷いた。




"ヒマだからさ、みんなのあだ名でも考える?
名字呼びじゃなんか味気ない。"




"そうだね"




"慶ちゃんは慶ちゃんでしょ?あと、他のヤツか。"




"小山くんのしか考えてないじゃん。"





"そこは橘も一緒に考えてよ。"




考えろって言われても…

まあ、面白そうだからいいか。




"まっすーは?ちょっと可愛すぎるかな?"




"いいんじゃない?あえての、って感じで。"




いたずらっ子のような笑みを浮かべている手越くん。

増田くんが嫌がること、絶対想定内でしょ。




"手越くんは?"




"俺はいい。だって、自分から〇〇って呼んで、っていうの、イタイじゃん。"




"確かに。じゃあ私もいいや。
あと、加藤くんは?"




"いっそのこと、加藤成亮フルネームにしてみる?"




"アリかも。"



呼び方を決めたはいいものの、慣れるまでは緊張しそうだな。

話をしているうちに、真っ赤だった目も、治ってきた。

これならみんなにバレないな。




"そろそろみんなの所に戻ろうか?"




"んだね。"




残りの人たちが座っているベンチに戻ると、なぜか加藤くんは居なくなっていた。

トイレかな?




"加藤成亮は?"



手越くんは早速さっき決めた呼びなで呼んでいる。




"なんでフルネーム?"




慶ちゃんが笑いながら訊く。




"ヒマだったから、みんなのあだ名考えてた。
増田はまっすー、加藤は加藤成亮"




"俺、あだ名可愛すぎるだろ?!"




増田くんが怒った顔でボードをみせる。

その反応をみて、手越くんはご満悦。





"まっすー、カルシウム不足だよ。"




面白そうだから、私も便乗していじってみることにした。




"うっせー、はしゃぎすぎて体調悪くなったこと、錦戸って医者にばらすぞ?
はしゃぎすぎて体調崩すなって散々言われてたのに。"




"ごめんなさい。"




錦戸先生、怒ると怖いこと知らないでしょ!




"で、結局加藤成亮はどうしたの?"




そうそう、本題それだった。




"なんか顔色悪かったから、大丈夫か?って聞いたら、具合悪いから帰るって言われた。
みんなで楽しんどいて、だって。"





加藤成亮、ちょっと様子が変だったもんね。

なんか、あったのかな。

13→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

momo(プロフ) - これから、どこに発展していくのかめっちゃ気になります!お話の更新待ってます! (2021年9月19日 9時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
新世 - すごく面白いです!書いて会話するのがじれったくてドキドキしました!!シゲがどうしたのか続きが気になります。頑張ってくださいね! (2017年11月7日 8時) (レス) id: ad8532904c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者 | 作成日時:2017年9月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。