にじいろFamily #6

聞いてほしいこと ページ6

桃色side

……トントン


…トントン


『のんちゃ、』


…


『のーちゃっ』


｢…んー？｣

目を開けると、外はまだちょっと暗かった。
時計を見ると、5:30らしい。

こんな時間に俺を起こしてきたのは、とも。

緑｢のんちゃん、｣

｢なぁに、とも｣

少し違和感を感じるような、感じないような。

寝ぼけてて、その違和感がなんなのかっていうのが分からんのやけど。

緑｢…のど、ｹﾎｯ｣

あ、声や。


｢のどかれちゃった？｣

緑｢ぃたくなっちゃった、｣

｢痛い？｣


そう聞くと、こくりと頷いて、けほけほと咳き込んだ。

乾燥してるかな、この部屋。

｢お水飲みに行こうか｣

緑｢うん、｣

ともを抱き抱えて、寝起きのフラフラとした足取りでリビングに向かう。

ｶﾞﾁｬ

｢あ、まっくら。｣

緑｢だれも、いない？｣

｢うん。朝早いからね。｣

緑｢そっか、｣

いつもよりガラガラになってしまった、ともの声。

喋りずらいよな。可哀想に。


｢はい、お水ですよ｣

緑｢あーがと｣

コップに注いだ水を、俺に抱っこされたままのともに飲ませる。

顔をしかめながら、ゴクリ。


緑｢っ、｣

｢痛い？｣

緑｢ぅんっ、｣

｢腫れちゃってるかなぁ｣

緑｢けほっけほっ｣

｢あー、ってして｣

緑｢あー、ｹﾎｯ｣

｢うん、わかんないや。｣

緑｢いたい、ｸﾞｽﾞｯ｣

｢ねー、なんでやろ。とも口開けてガーガー寝てたんやないの？(笑)｣

緑｢ガーガーねないもん｣

｢えー、じゃあなんでやろうなぁ｣

緑｢…おねつでる？｣

｢お熱？いや、うーん、どうやろ。｣

緑｢…いやや｣

｢いややな。喉痛いとしんどいよな｣

緑｢…ともね、おねつでると、のんちゃんにたくさん心配かけちゃうからね、いやなの｣

そんなこと思っとったんや。
初めて聞いた。

｢ともはなんも悪くないから大丈夫やで。悪いのは、バイ菌さんやから。｣

緑｢…ぅん｣

｢そんな顔しないでよ。ほら、にーってわらって｣

緑｢…のんちゃん、｣

｢ん？｣

緑｢…ごめんなさぃ｣

｢…大丈夫やって｣

体がちょっぴり弱いともは、だいとか、ほかの家の子みたいに、毎日元気！とはいられない。

よく熱出すし、喘息だってつらそう。


それでも、きっと大人になったら、体は強くなってるから。

大丈夫なのに。

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