にじいろFamily #4

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橙色side

あー、急がな…

いつもよりも速いテンポで刻まれる足音。
その理由は、

赤『あきと、きょうキャラ弁？』

『え？いや、急には無理やで？』

赤『ｸﾞｽﾞｯ、やくそく、したやん、ｸﾞｽﾞｯ』

『明日じゃだめ？』

赤『今日、見せるって言うたんに…ｸﾞｽﾞｯ』



と言う、だいの初恋に負け、結局間に合わなかったキャラ弁を届けている。

恋のキューピット照史は、頑張っております。

幼稚園の近くにつくと、外遊びをしているちっちゃい子がいっぱい。

さて、だいきくんは、どこでしょうか。



ｸﾞｲｯ

ふいに、服を引っ張られて振り向くと、


赤｢あきと？｣

天使。

｢だい、お弁当持ってきたよ｣

赤｢！！｣

目をキラキラさせながら、『ありがとう』と笑う姿がなんとも愛おしい。

｢なぁ、だい｣

赤｢ん？｣

｢俺な、頑張って作ってん。やから、残さず食べてな？｣

赤｢うん！ありがと！｣

と言った理由はひとつ。

今日のお弁当にはきゅうりが入っている。
ほんのちょっとやけどな。

と、そんなだいに近づいてきた1人のおんなの子。

？｢だいきくん、それなぁに？｣

赤｢っ！！｣

…あれあれ？

赤｢あ、あきとが、キャラ弁、作ってくれてんっ！｣

？｢きゃらべん…？｣

赤｢う、うん。みたい？｣

？｢うん！｣

赤｢じゃ、じゃあ、きょうの、おひる、いっ、いっしょに、た、たた、たたたべよ…！｣

あああぁぁあ、もうっっっっ

？｢だいきくんと？｣

赤｢ぅん｣


？｢いいよ！｣

赤｢！｣

かっっっわいいっ！

嬉しそうな顔で俺を見上げてきただいの顔がほんっとに可愛い。

バイバイ！ってブランコのとこに言っちゃった女のコやけど、だいは満足そうに手を振っていた。


｢へー、だいはあんな感じの子が好きなんやな｣

赤｢…Aちゃん｣

｢Aちゃんって言うん？｣

こくりと小さく頷く純粋さ、
俺にも欲しい。


｢そっか。ともが嫉妬してまうな｣

赤｢ともが？｣

｢うん。とも、だいのことめっちゃ好きやからな｣

赤｢…とものことは、ずっと好きやで？｣

でた。またそうやって、尊いんだから。

｢俺は？｣

赤｢あきとも大好き！｣

ぎゅーって抱きついてきた天使を胸いっぱいにぎゅっと抱き締め返した。

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