にじいろFamily #4

･ ページ12

黄色side

ついにここまで来てしまった。

心を鬼にするこの瞬間。

赤｢…ねぇねぇ、じゅーんた｣

だいは、うさぎのぬいぐるみを抱きしめて上目遣い。

｢…ん｣

赤｢これね、欲しいの｣

｢…だめ。｣

赤｢で、でもね、あのね、えっとね、｣

｢…｣

買ってあげたい。
ものすごく、買ってあげたい。

だがしかし、うちにはもうたくさんぬいぐるみがある。

買うわけには、

赤｢じゅんたが、いない日、ぎゅってするから、｣

買うわけには、

赤｢おねがぁい｣

いか、


赤｢じゅんた、だいしゅきっ！｣

｢絶対に買わへんから。｣

俺は、だいから、うさぎを掴んで、レジに行く。


そして、気がつけばお金を払っていた＿＿＿＿



橙｢甘いなー｣

｢今日だけや。今日だけ。｣

紫｢それ、夢の国でも聞いたで｣

｢ええやん。可愛かってんもん｣



赤｢じゅんた、｣

｢はーい｣

後ろから呼ばれて振り向くと、自分とほぼ同じサイズをしたうさぎをぎゅっとしながら、

赤｢あーがと、じゅんた｣

と。


｢…他に欲しいもんある？｣


赤｢！｣


｢なになに、持っておいで｣



橙｢ほら、もうダメやん｣

紫｢弱いなぁ｣

｢1億円だって払ったるわ｣

橙｢じゅんた、俺な、｣

｢照史には払えへん｣

橙｢なんでや｣


ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
と走って戻ってきた、だいの腕の中には、
さっき買ったうさぎと色違いのうさぎが。

｢同じやつやん｣

赤｢んーん、これ、じゅんたの。｣

｢え？｣

赤｢じゅんた、これ、だいね？｣

ｷｭﾝ

｢わかった。これ、だいな。｣

赤｢寂しい時は、こうやって、ぎゅって！｣

｢んんんんっ、かっわいいなぁお前〜｣


紫｢え、なに今の(笑)｣

橙｢だいは、罪なヤツやわ｣


赤｢だいじにする！｣

｢うん。2人でずっと大事にしような｣

赤｢うんっ！｣


永遠の愛を誓いました。

･→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す