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黄色side
全くなんにも分からへん。
12年間一緒にいてこんなことなかったんに。
赤｢…ごめんなさい｣
…だいは、ほんまになんも悪ないのに。
｢言うてや…なんかあるんやったら、ちゃんと言うて欲しい。｣
そう聞くと、だいは、少し複雑そうな顔をしてから、ふと優しい表情をした。
赤｢ほんま、大したことやないねん。大丈夫｣
…隠された。
｢もどかしいわ。はよ言うてや｣
それがショックで、だいのこと全然わかってない自分に対してイライラがます。
そして、口調がつい強くなってしまった。
俺やったら、こんな言い方されたらキレる。
なのに、
赤｢…｣
ただ寂しそうな、どこか悲しそうな。
そんな目で訴えてくるのは『ほっといて』っていうこと。
…なんでそれだけは分かるんやろ。
赤｢…あのな、テストの点、次も悪かったらどうしようって思ってただけ。｣
そして、気を遣っただいは、嘘をつく。
そんな悩みじゃないことくらい俺にはすぐわかる。
けど、
｢…そっか｣
もうこれ以上は踏み込めない。
赤｢続き作ろうや。とも帰ってきちゃう｣
｢せやな｣
絆創膏を貼り終えるとそそくさと、次はだいが俺の手を引っ張ってキッチンに連れてかれる。
｢…｣
赤｢じゅんた、そういえばね｣
そして、俺の興味を必死にそらすかのように今日あったことを途切れなく話してくれた。
ほんとに途切れなく。
俺が相槌をいれる暇さえないほどに。
赤｢そんで、筆箱が、｣
そこまでしゃべってだいは、言葉をとめた。
なんや、この間。
｢筆箱がどないしたん？｣
赤｢えっと、｣
｢忘れたん？笑｣
赤｢…うん、わすれた｣
えへって笑うのが、なんだか小さい時のだいに重なって可愛くて。
｢なんやそれ｣
赤｢なんだっけ、｣
変わったところももちろんあるけど、それ以上に変わってないところはこんなに分かりやすく出るんやなってちょっと面白かった。
｢思い出したら教えてよ｣
赤｢うん、思い出したらね｣
そして、2人の調理実習は無事終えた。
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作者名：kana | 作成日時：2022年2月11日 13時
