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黄色side
｢ただいまー｣
家に帰ると、靴はあるのに誰の声も聞こえんかった。
｢…だい、出かけたんかな。｣
ｶﾞﾁｬ
…あれ、
｢だい？｣
赤｢あっ、おかえり｣
｢ただいま｣
おるやん。
気づかんかったのかな。
赤｢ぼーっとしてて気がつかんかった。｣
｢そっか｣
ぼーっとしすぎやで、って笑うとだいも笑う。
なんか悩み事でもあるんかな。
赤｢…ねぇ、じゅんたさ、｣
｢ん？｣
声のトーンを落としただいがじーっとこっちを見つめて目をそらす。
赤｢やっぱいいや。｣
｢え？なになに。気になるやん｣
赤｢ううん。いい。｣
｢…ふーん｣
絶対なんかある。
でも、しつこすぎると言ってくれんくなるから、ちょっと待ってみようかな。
｢夜ご飯作ろうかな。｣
赤｢淳太が？｣
｢うん、照史遅いらしいから。｣
赤｢手伝うよ｣
｢だいが？できるん？｣
赤｢できるし｣
不器用やからなぁ。
｢あれ、ともは？｣
赤｢あー、遊びに行った。｣
｢元気やなぁ｣
2人で買い出し行ったらともがお家入れんくなるわ。
｢じゃあ、俺買い出し行くから、｣
赤｢いや、俺行く｣
｢え？｣
食い気味なだいの返答に戸惑う。
いつもなら、『めんどーやから、淳太いってらっしゃい』って言うのに。
赤｢俺行くから。｣
｢なんで？｣
赤｢なんでって、なんで？｣
｢…べつに。じゃあ、お願いしようかな。｣
赤｢うん。なに買ってくればええん？｣
｢カレーの材料｣
赤｢カレー？わかった｣
｢じゃあ、お財布持っていき。落とさんといてな｣
赤｢うん。ありがとう｣
ちゃっちゃと準備を済ませただいは、パパっと家から出ていった。
…
なんやろ。違和感。
考えをめぐらせる。
やっぱり学校でなんかあったんかな。お年頃の男子やし。
｢…恋愛、、？｣
いやいやいやいや。ないって。
興味なさそうやし。
ん？そう見えてるだけなんかな？
だいに彼女とか…
｢…いやや。｣
このままじゃどんどん変な想像してしまいそうだったから、テレビをつけて気を紛らわす。
流れてくる緩い雰囲気に呑気に笑ってた、
この時の自分に、早くだいの悩みに気づいてあげてなんて言えたなら。
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作者名：kana | 作成日時：2022年2月11日 13時
