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赤色side
先｢えー、ここがマイナスやから、こっちは、｣
長々と続く先生の説明。
正直いってどーでもええ。
淳太の方がわかりやすいし。
先｢マイナスどうしやとプラスになります。｣
ほんま、誰やこんなん考えたんは。
先｢じゃあ、ここの問題を、しげおか｣
｢…ぇ｣
なんで俺なん。
この、40人近くいる教室の中でさ。
べつに、俺やなくてええやん。
｢…-4です｣
先｢おっ、合ってるやん｣
｢…｣
…こんなこと淳太やったら聞かんやろうな。
なんか、最近妙にスパルタやし。
黄『はぁ！？なんでここがそうなんねん。お前はアホか』
『そんなん言わんでもええやん！』
黄『アホにアホ言うて何が悪いねんアホ』
確実に言いすぎやし。
でも、悔しいくらいわかりやすい。
『ねぇじゅんた』
黄『ん？』
『これ、教えて』
黄『どれどれ。あ、これちょっと応用やね』
授業受けてると、淳太が恋しくなる。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
先｢はい、おつかれさまー｣
みんなのお辞儀と眠たそうな声で授業は締まる。
…今日は寝なかったから�陲舛磴鵑頬�めてもらお。
休み時間はだいたい、ぼーっとしてるか、
そ｢しーげおか！｣
そうやがちょっかい出しに来るかのどっちか。
そ｢数学寝てなかったの珍しいな？｣
｢いつも寝てるわけちゃうし｣
そ｢寝てるやん｣
｢…週一くらいで起きとるわ｣
そ｢それさえ危ういやん｣
｢…｣
なんも言えない。
｢てか、筆箱変えたん？ええやん｣
そうやの右手にはいつもと違う筆箱が握られていた。
さては、これを褒めて欲しくて俺のとこ来たんやな？
そ｢あっ、わかるわかる！？せやねん。昨日おかんに買ってもらってん｣
｢えー、いいなぁ｣
そ｢だいき、ずっと一緒やんな？｣
｢まぁ、別になんでもええし｣
そ｢もぉ、なんでもええとか言わんといてや。筆箱は勉強する時のモチベーションの1つ！やで。知らんけど｣
｢知らんのかい｣
でも、たしかに。そろそろ変えたいな、とは思ってる。
…ここ二ヶ月間くらい。
｢けどさ、淳太いつも夜遅くまで勉強教えてくれて、朝早くに仕事行ったりしてるから、『筆箱買って』なんて言いにくいし…｣
甘えすぎたり頼りすぎて淳太を困らせることはなるべく避けたい。
たぶん俺がお願いすれば筆箱なんてすぐに買ってくれちゃうし、ついでにシャーペンやなんやらも買ってくれちゃう。
そ｢母ちゃんに買ってもらえばええやん！｣
そうやの悪気の無い言葉で俺の心がざわめき始めた。
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作者名：kana | 作成日時：2022年2月11日 13時
