にじいろFamily #2

おまけ ページ9

青色side

「…なに」

桃「んー？」

「なんでそんな見てくるん？」

桃「いや、やって」

スマホをいじる俺をじーっと見つめてくる望。

なんやこいつ

桃「流星かっこええなぁって」

顔を赤く染めて、照れ照れしながら言ってくるもんだから、なんだか俺まで照れくさい。

「…お前もかっこええから｣

目を見るのがなんだかくすぐったくて、スマホを見たまま呟く。

桃「っ！」

でも、それは逆効果で。

キラキラした目で『なに！なに！ねぇ流星！』
なんて俺のスマホに右手を置いて、左手で体を揺らされる。

「うるさい」

桃「なぁ、流星、今かっこええっていっt」

「聞き間違いやないの？」

桃「えー！言うてたし」

聞こえてんのかい

でも、たまにはこういうこと言うのも悪くないよな

「望、あのさ」

桃「ん？」

「…」

無理、やっぱ言われへん

桃「なに？流星？」

「その、あの、」

桃「なんや」

「…なんでもない。はよ寝ろ。病み上がりなんやから」

桃「いや、寝られへんわ」

「寝ろ寝ろ」

望を無理やり布団に入れ、目を瞑らせる。

「はい、つべこべ言わんで寝る。」

桃「むぅ、しょうがないなぁ。」

「おやすみ」

桃「…ぉやすみ。」

少しして寝息を立て始めた望。

そんな甘えん坊な弟に小さな声で誰にもバレないようにさっき言えへんかった一言を。


「…好きやから。言わへんけど、言われへんけど…す、好きやから」

桃「ん。なに流星。なに言うとん」

「っ！ご、ごぼう！ごぼうが、好きやからっ！」

なんで起きとん

焦って『ごぼうやねん。ごぼう』なんて言うてもうた。
これじゃあめっちゃごぼう好きなやつみたいやん。

ちゃうし。

桃「へ〜、ごぼうなぁ」

全てを見透かしたような目から視線をそらす。

桃「…俺も、好きやで。」

「っ！」


桃「ごぼうが、やけどな。」

含みのある笑みを浮かべた望は、まるで俺をからかっているかのようで、なんだか悔しかった。

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