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紫色side
気がつけば望の目からは涙。
俺の頬も少し濡れていた。
桃｢…気づいてあげられなかったなぁ、｣
どっちのことも。
そう付け加えて、望は少し目を伏せる。
かける言葉もなくて、声を出す気分でもなくて。
桃｢…そんな黙らんといて｣
って少し笑いながらも辛そうに俺の肩に顔を埋める。
望なりの甘え方。しんどいですって伝えてきてる。
｢…のぞむ、｣
桃｢あかんあかん。俺まで潰れたら大変やもんな？｣
望は、パッと顔を上げてゴシゴシと涙を拭う。
その勢いでニカッと笑うけど、俺が心配そうな顔をしたのがわかった瞬間、またふにゃふにゃと表情が崩れていく。
桃｢不安定や、笑｣
｢そりゃ、そうなるよ。｣
桃｢…ぅーん、｣
｢我慢はしたらあかん。｣
桃｢…｣
｢…スーパーでも行くか。｣
桃｢…気分転換、？｣
｢まぁ、だいも連れてくけど。｣
自分のためにも少し気分を変えたくて、望を外に誘うことに。
桃｢おにぎりだけ置いとく。｣
そう言って、おにぎりを2つほど作り直して、少しの分量の置き手紙もして、だいを連れて外に出た。
桃｢うわ、寒いわ。だい、寒ない？大丈夫？｣
赤｢ちょっとだけ｣
｢上着来てくる？｣
赤｢それは大丈夫！｣
｢あら｣
めんどくさいだけやろって望から辛辣なツッコミを受けるいつも通りの流れ。
やっぱり外ってええのかも。
珍しく積極的に、ぎゅっと握られた俺の右手と望の左手。
だいの小さな手はやっぱりかわいい。
赤｢はまちゃん、だっこ！｣
｢えー、｣
赤｢えー、、｣
えー、とか言いながらも、可愛げに見上げてくるだいに負けてしまうのはいつもの事。
赤｢しゅーぱー、なにかう？｣
桃｢だい、『スーパー』やで。しゅーぱーやないよ｣
｢まぁた、泣くで？｣
赤｢すぅ、すぅ、、しゅーぱーっていってるもん！｣
桃｢…しゅーぱー、｣
赤｢…きらいっ｣
そろそろ拗ねそうなだいに、いじわるに笑いながらごめんごめんって頭を撫でる望。
赤｢ますくらいだぁ、かってね｣
桃｢えー、この前も買ったやん。｣
赤｢もっと！｣
桃｢やって、だい、グミ食べへんし、もったいないやろ？｣
そう言われると、罰が悪そうな顔で俺にヘルプ。
紫｢ちゃんと食べんねんな？｣
そう聞くと、
赤｢…た、たべる、よ、｣
絶対食べへんやん。
桃｢ほんまに？｣
望もニヤニヤしながらそう聞く。
赤｢…ほんまに。｣
かわいいんで、おっけいです。
続く
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作者名：kana | 作成日時：2024年1月8日 12時
