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桃色side
紫｢…そっか、そうやんな。まだ子どもやもん。｣
｢うん、一緒におれる時は一緒におるけど…まぁ、寂しいよ。言わないだけで、てか、言えないだけで。｣
〜15分ほど前〜
赤｢…｣
ソファでしょんぼり座るだいの隣に、そっと腰かける。
だいが、どんなことを考えてるのか、感じてるのか。
少しだけわかる気がして。耳を傾けなきゃいけないような気がして。
｢だい、ちょっとお兄ちゃんになったんやない？｣
赤｢…ぇ？｣
｢もう3歳なんやろ？お兄ちゃんやん。｣
赤｢…｣
いつもなら、｢えへへ、そうやで？｣って、えくぼを作って自慢してくるけど、今は違う。
だいの中にも葛藤があって、感情がまだ上手く伝えられない分、もごもごしちゃうとこも多い。
でも、知らん顔はしたくない。
できるだけ、知っておいてあげたい。
というか、知らせて欲しい。
｢…そんなこともないか｣
ひょこっと、俯くだいの顔を覗けば、涙を目にいっぱい貯めてポロポロとそれをこぼす姿。
赤｢…っ、ﾋｯｸ、｣
｢お兄ちゃんなるのは、まだちょっと寂しいなぁ？まだ、えーんってしたいよな。｣
だいのことをぎゅっと抱き上げて慰める。
赤｢うわぁぁぁぁんっ、ｸﾞｽﾞｯﾋｯｸ、のんちゃっ、ｸﾞｽﾞｯ｣
｢そうやんな、まだたくさん甘えたいもんな。くっついてたいもんな。｣
勝手に少し大人にしてしまったから、だいはちょっと大人びてみるしかなくて、我慢するしかなくて。
赤｢ﾋｯ､ｸﾞｽﾞｯ、おゃっ、すみ、の、ｸﾞｽﾞｯ日もっ、いっしょに、っ、ｸﾞｽﾞｯ｣
｢うんうん、ごめんな｣
赤｢んっ、ｸﾞｽﾞｯ、ょるもっ、ﾋｯｸ、じゅっ、ｸﾞｽﾞｯたとっ、ﾋｯｸ、ねたぃっ、ｸﾞｽﾞｯ｣
｢せやな、｣
赤｢ぉふろっ、も、ｸﾞｽﾞｯ、もっと、ｸﾞｽﾞｯﾋｯｸ、いっしょ、ﾋｯｸ｣
だいの背中をトントンしながら自分たちがどれだけ、だいに寂しい思いをさせてきたのかを思い知る。
赤｢っ、もっとっ、ｸﾞｽﾞｯﾋｯｸ、いっ、しょっ、ｸﾞｽﾞｯが、ぃいのっ、ﾋｯｸ｣
途切れ途切れに教えてくれた本当に気持ち。
見えないふりをしてしまっていた、だいのまだ幼い心。
ごめんねなんて何回言ったら足りるんやろってくらいの
痛みで、寂しさで。
｢…ごめん、ほんまに。｣
だいを育てるにはまだ未熟すぎた5人。
それなのに、
赤｢…のんちゃ、っ、ｸﾞｽﾞｯ、だいすきっ、｣
必要としてくれちゃう小さな手。
｢…っ、｣
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作者名：kana | 作成日時：2024年1月8日 12時
