ちょっと昔のお話 ページ1
紫色side
緑｢だい、これかしてぇ？｣
赤｢うん！｣
緑｢あーがとっ！｣
平和に遊ぶふたりを望と眺めながら思い出す、
｢なぁ、昔のだいってさ、イヤイヤ期ハンパなかったよな｣
桃｢もう、地獄よ。魔王かってくらい暴れてた｣
ちょっと昔のお話。
．
だいが3歳の頃。
もう、忘れもしないあの夏の日。
黄｢だい、お着替えするよー｣
赤｢いや！｣
黄｢いやじゃない｣
赤｢しない！｣
黄｢する｣
赤｢いやっ｣
黄｢…｣
赤｢じゅんた、や！｣
黄｢じゅう、きゅう、はち、なな、｣
淳太がカウントダウンを始めると、だいは泣き始める。
イヤイヤ言いながらの嘘泣きやけど。
黄｢いち、ぜろ｣
赤｢いややぁっ！｣
黄｢はい、おわり。もう自分でやってください｣
赤｢うわぁぁぁぁぁあんっ、ｸﾞｽﾞｯいやぁぁあ！｣
イヤイヤ期って、ほんまに、｢いや｣って言うんやな。
なんて思ってたら、痺れを切らした淳太がため息を着く。
黄｢俺もいや。｣
淳太もイヤイヤ期らしい。
｢おつかれさま｣
黄｢…ん｣
怒ってる。
黄｢なにしても、いやって言われる｣
だいも、ほんとに嫌なわけじゃなくて、自分の意見を押し通したくて頑固になってんねやろうな。
だいもだいで、上手くいかんことたくさんで苦しくなってるのかも。
でも、いやいや言われるこっちもいやになるわけで。
緑｢じゅーた、といれ｣
黄｢はいよ｣
甘えん坊でまだ素直なともに癒されるしかない。
ｶﾞﾁｬ
橙｢あれ？まだお着替えしてない子おるやん｣
赤｢いやっｸﾞｽﾞｯ｣
橙｢いやなん？なにがいやなん？｣
赤｢いやぁっ！｣
橙｢なにがよ｣
赤｢これいややぁぁぁ！｣
だいが指さしたのは洋服。
あ、洋服が気に入らなかったんや。
橙｢このお洋服が嫌なん？｣
だいは、こくこくと頷く。
橙｢じゃあ、そう言わな分からんよ。最初から、『このお洋服いややな』って普通に言えば、淳太くんも怒らんと思うよ？｣
赤｢ﾋｯｸ、んっ、ｸﾞｽﾞｯ｣
橙｢わかった？｣
赤｢ぅんっ、ﾋｯｸ｣
橙｢ありがとう。じゃ、お洋服選びに行こうか｣
そう言ってだいを抱っこして部屋を出ていく照史。
すごいわ、ほんま。
でも、イヤイヤ期の恐ろしさはこんなもんじゃなかった。
数日後。
また今日も朝からいやいやいやいや。
そんなだいに、淳太もイライラ。
韻踏めたわなんて笑いたくても笑える雰囲気じゃないこの家。
朝起きるの、いや
リビング行くの、いや
なんもできん。
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作者名：kana | 作成日時：2024年1月8日 12時
