にじいろFamily #1 (ページ13)

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黄色side

涙目の流星からともを預かってから、今は俺の部屋で、ともが遊んどる。

にしても、チビふたりが喧嘩なんて、珍しい。

「とも～」

緑「んー」

「なんでだいと喧嘩したん？」

と言うと、ともの肩がびくりと震えた。

…訳ありやな。

緑「…だいが、おもちゃ貸してくれんかった」

「そのおもちゃ、だいが使ってる途中じゃなかった？」

緑「…ん。」

これはこれは…

「とも、わかっとんのやろ。自分が悪かったって」

いつもより厳しめの口調でそう聞くと、珍しくともも、反抗気味に。

緑「とも、悪ないで？だいが、貸してくれんかった！」

「でも、人が使っとるものはとってええの？」

緑「やってっ！ちゃんと聞いたもん、貸してって。やのに、やーやって言うたのはだいや。」

最近、ともは、自我がはっきりしてきた。
それはもちろん、すごく嬉しいこと。

「でも、それはちゃうやろ」

緑「なにがちゃうの？」

でも、ちょっと大変なことでもある。

「じゃあさ、とも、それ貸して」

俺は、ともがいまさっきまで遊んでいたおもちゃを指さす。

緑「…やーや」

「なんで？貸してや」

緑「や！」

「なんで貸してって言うてるのにダメなん？」

緑「やや！今ともが使っとるもん！」

ほんま、単純にひっかかってくれる。

「とも、今どんな気持ち？」

緑「じゅんたくぅ、嫌い！」

「じゃあ、俺も嫌いや」

そういうと、涙目になるとも。

緑「っ、なんでそんなこと言うん、！」

「なぁ、とも。今な？ともは、さっきのだいと同じ気持ちや。」

緑「…？」

「悲しいやろ？泣きたいやろ？楽しくないよな？」

緑「…ぅん」

「おもちゃ、使ってる途中に『貸して』って言われても、困ってまうよな？」

緑「…ぅん」

「これでも、大毅が悪いん？」

緑「…」

「大毅が我慢すればええって思う？」

緑「…思わん、」

「じゃあ、いま、ともにはやらなあかんことがあるよな？」

そこまで言うとともは、部屋を重い足取りで出ていき、大毅がいる部屋へとちょっとずつちょびちょびと進んで行った。