違う世界でまた会いたい【龍宮寺堅】 (ページ9)

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9話ページ9

次の日、学校では授業中もずっと上の空だった

あー、別の人を好きになってたらすごく楽だったのに

ボーッとしたまま時間だけが過ぎていく

変化にいち早く気づいて心配してくれる友達がいる

お家だってまあまあ裕福で、病気だってないのに

なんでこんなに欲張ってるんだろう

今日は作り笑いばかりだ、辛くない気にしてないと自分を偽る

口角を上げるのがこんなにも面倒で辛いだなんて今更思い出した

きっとこの恋も時間が経てば笑い話だ

その時まで私が我慢すればいい

なのになんでこんなに必死なんだろう

嫌だ嫌だって子供のような私がいる

溢れてくる涙が止まらなくて

友達には迷惑掛けてばかりで

「…ごめん…っ」

「今日はちょっと遊べないかも」

「無理しなくていいよ今度遊ぼ！」

「ありがとうっ…」

そう言って全力で門まで走った

泣いてるところを見られてるなんてこんな恥ずかしいことがあるか

お母さんに見られたくなくて近所の公園で時間を潰すことにした

いつもうるさいと思っている錆びたブランコの音が今は私の心の声を隠すようで、不思議と落ち着いて来る

でもまた、涙が溢れてくる

誰もいない公園で1人泣きながらブランコを漕いでいる

辛くて悲しい時でも

「ぁ？A？」

笑わせてくれるのはいつもドラケンくんだった

こんな時にくんなよばかっ…