灰色王子と黒王子 (ページ10)

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#8 過去編 2 ページ10

「A！じゃあな！」

「A君、また明日ね」

「うん、またね」

適当な笑顔で手を振って
石畳の上をまた歩き始める。

学校に通い始めてもう2年。

英語とか色々心配だったけど
慣れって怖いよね

上辺だけだけど友達もできたし、
日本の時みたいに女子も寄ってくるけど…

あー、今年で中学最後か

少しの間目を閉じて思いを巡らせる。

「はぁ

……っ‼」

いった、って

「あ！ごめんなさい！
怪我はない…って君は同じクラスの」

「あはは、ごめんね。
私もよそ見してて」

地面に手をついて
申し訳なさそうに笑った

「いやいや、本当ごめんね？」

手を貸して起こしてあげると
足から血が出てて

「ごめん、怪我させちゃって…」

「大丈夫！大丈夫！っと…わぁ！」

全然大丈夫じゃないじゃん、
強がっちゃって

「どこが大丈夫なの？
ふらついてるじゃん、

…僕の家この近くだしおいでよ」

何言ってんだろ。

そう思った

でも今回は僕が悪いし介抱したってね。

「んー、じゃあお言葉に甘えて」

そう僕の手をとって笑った

その笑顔にちょっといいなとか
思ってしまった僕は単純か？

僕たちは手を繋いで歩き出した。

＿＿＿＿＿＿「あいつ…」