灰色王子と黒王子 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:31,035 hit

#1 ページ2

to佐田恭也
from佐々木A

件名:久しぶり

恭也元気？
メアド変えてなくて良かったよ。

来週日本に帰国します。
また会おう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

……

「あいつ帰ってくるんだ」

マンションの一室。
そんな独り言が響いた。

「恭也君、何で笑ってるの？
まあ、サービスだったけどっ」

「幼馴染が帰ってくるんだよ。
6年ぶりにさ。」

ベットの淵に座っているエリカに
小学校6年の時の写真を見せる

「へぇ！恭也君可愛いー!!!
え、じゃあこの子が幼馴染？」

「あぁ、佐々木Aっていうんだ。
こいつ女に囲まれてていつも大変だったよ。
あいつ優しすぎるからな、俺と違って」

俺、健、Aの順で写ったそれは
健以外笑ってなんかいないけど
なんだか微笑ましかった。

「うん、確かにモテそう！
なんかクールな感じで！
それにしては今日は良く喋るねー」

確かに、いつもより表情筋使いすぎた

「6年ぶりなんだから当たり前だろ」

写真を取り上げてわーわー吠える犬をよそに
ふと口角をあげる。

早く会いてぇな。

Aはそんなふうに思わせる
俺の数少ない友人であり幼馴染だ。

.

.

.

でも俺はまだ知らない。
彼の変化に