龍虎という男 その4 ページ28
花京院は別のビルへ、別のビルへと移動していく。
花京院は、この自分のスタンドを見る時いつも思い出すのだ。自分の幼少期を。
(昔のように見えなくするんだ、DIOの正体を暴き、倒すため！完璧に気配を消してやろう…！)
この時、ジョセフは考えた。
Aが操られている。肉の芽を抜けるのは承太郎だけだ。何とか知らせなくては、だが、生憎今は電話がない。する暇がない。さて、どうしようかと。
AはDIOが上に行って、1人になってしまった。
自分はどうしようかと考えていた。
「承太郎達を始末するか」
あぁ、また。まただ。
心にもないことを言ってしまう。
肉の芽というのは本当に忌々しい。
本当は承太郎達を殺したくないのだ。大切な仲間なのだから。自分が今操られているていうことを何とか、何とか伝えられないだろうか。
だが体は思うように行かないし、心だって段々と侵食されて言っている。
本当にDIOの手下になるのには時間はかからないだろう。早く、早く。
この考えることを辞めたら何だか本当に終わりな気がするんだ。
そう考えてるうちに、承太郎達はAの近くまで来ていた。あちらはこちらに気づいていないようだ。
Aは絶望した。確かに助け欲しいんだ。
だが彼らはきっと自分が殺してしまうと。
「ん？あ！お〜い！Aじゃねぇか！」
「じじいと花京院はどうした。」
Oh No！現実は本当に非情だ！
何故気づかしたんだ！何故！何故！
「……あぁ、承太郎君、ポルナレフ…花京院君達とははぐれてしまったんだ」
違う、違うんだ。
2人なら違うビルの上だ！きっと2人は今DIOと戦っているッ！助けに行ってやってくれ！
応戦してくれよ！
なんとか、それを伝えなくてはッ！
「2人は追ってきたのかい？」
「あぁ、そうだぜ」
「そうか、でもきっと追ってこなかったら良かっと思うようになるよ」
辞めてくれ、辞めてくれ！
「A！？なんかAの様子がおかしいぜ！承太郎！」
「おかしい？いやいや、俺は正常だぜ？ポルナレフ」
「ッ！ポルナレフ！今すぐ龍虎から離れろ！」
その瞬間、
「……承太郎、本当に、君は……！！」
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作者名：小松 | 作成日時：2019年9月2日 18時
