戦闘民族の彼女は。 【キングダム】

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あれから私達は川沿いにしばらく走った。




「…っ」




信が立ち止まる。






『…着いた？』



「あぁ…ここが川の合流地点…」





地図を見直す私たち。





「……と、いうことは…」





振り返ると、そこには小さな小屋があった







『…これの事…？』



ただのほったて小屋だ。
ここに、何か大事なものが…？





信がそっと近寄り、勢いよく小屋の布を開けた






そして、そこにあったのは。




そこに、座っていたのは。








『…！？』




「バ…バカな…っ、そんな…っバカな！！

漂！！？」






そこには先程別れを告げてきた、漂が座っていた。






「……漂…？」



信が恐る恐る尋ねる






「違う、政だ。」





それは、どこか漂とは違う雰囲気を纏った全くの別人だった。






「……お前が信とAか」



『え、』



「なんで俺達の名をっ…
お前は何なんだ！なんで漂と同じ顔をしている！！こっこれは一体何なんだっ！！」








漂と顔は似ているが、全くの別人。
そんな彼の元へと私たちを導いた漂。

…そして、王弟の反乱。




あぁ、もしかして、漂は……。








「……説明する暇は無さそうだ」




そう言って視線を入口へと向けた政。






『何か来た』




「…お前は分かるのか」




『何となくね』







そして、信の頭スレスレに切り裂かれる小屋。
私達は慌てて外に出た。





「なっ、何だ一体！？」



『…』





私たちの前に現れたのは、全身赤黒で覆った格好の人物。

そしてその人物は、口を開いた。




「もはや逃がさぬ
命をもらうぞ

秦王、贏政(えいせい)」




『…秦、王…！？』




「しかしあれが替え玉だったとはな！
あれほど瓜二つの人間がいるとは驚きだ！

しかもなかなか凄いガキだったぜ」





…怒りで私の手が震え出す






「この俺が致命傷を与えながらも逃がしたのは奴が初めてだ！
まっ、そのしぶとさがあだとなって俺はここまでたどり着いたのだがな」




『っ…！！』



私が男に飛びかかろうとした時、信が急に叫び出した。




「くそ…だんだん分かってきたぞ…
お前が王で！！お前が刺客！！」




「『(お前……)』」




「王に似ていた漂は最初から替え玉にするために王宮に連れていかれたんだ！！」




そう、漂が襲われると知っていながら身代わりにしたんだ。





「……その通りだ」




「てんめェェェ」

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