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「王弟の乱に巻き込まれたんだな」
信が呟いた。
「王宮のことがお前の耳にまで入っていたとは…
だとしたらAも知っているんだな…
…よかった…だったら話が早い…」
漂は苦しそうにしながらも、ゆっくりと話を進めた。
「王弟の勢力は…王都を転覆させるほど大きく強く…また執念深い…
血を辿って間もなくここへ来るだろう」
追っ手が…ここへ?
「里典、その時は見知らぬ人間が勝手に納屋で死んだということに…
どうか亡骸はされるがままに…」
『触らせない!!』
「触らせねぇし」
私と信の言葉が被った。
「一人も生かしちゃ帰さねぇ!!一人も!!」
『私だって信と同じだよ、漂』
「…その威勢が聞けてうれしいよ、二人とも…ふふっ」
またいつもの様に優しく笑った漂。
ずっと、続けばいいのに
「だけど二人に頼みたい事がある」
そう言って、震える手で私たちに渡してきたのは小さな紙のようなもの。
「…地図!?」
丸まったそれを広げると、それは簡単な地図だった。
「ここより西にある黒卑村という村の地図だ」
『黒卑村……』
「これを二人に渡しに来たんだ
今すぐそこへ行ってくれ…」
漂がこんなになってまで、これを私たちに届けに来てくれたということは、そこに何か、大事なものがあるとしか考えられない。
「なっ何!?一体どういうことだ!?わけが分からな…」
「いいな二人共!!託したぞ!!」
漂の真剣な目。
『……分かった、漂……』
「あぁ…分かった…分かったよ漂…
分かったから…
死ぬんじゃねぇよ漂…こんな…お前…」
私の視界が涙で歪む。何も見えないほどに。
「三人で天下の大将軍になるっつったじゃねぇかよ!!!」
信がそう叫んだ瞬間、漂に抱きしめられた。
「なるさ!」
漂らしい、強い力
「信、A
俺達は力も心も等しい。
三人は一心同体だ
お前達が羽ばたけば俺もそこにいる。」
そしてだんだん、その力は弱まっていく。
「A、気づいてたか?
俺の気持ちに」
やめて、離さないで
「なぁ信、A…
___」
そして、私の肩周りに回された漂の腕がするりと落ちていく
「漂ォォォォォォオ!!!!」
『漂ッ!!!!!』
「__俺を天下に連れて行ってくれ
…あぁ、A…最期に会えてよかった
……愛してる_」
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ぽえたた(プロフ) - 凄く面白いです!更新まってます! (5月16日 0時) (レス) @page20 id: 1912da167d (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 優さん» ですよねですよね!!!私あと羌瘣とか蒙恬も好きです!!←私も余談(笑) 更新頑張ります!!!! (2019年7月30日 20時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
優 - まさかのバジオウ好きですか?!私もです!絶対仮面取ったらイケメンですよね…あ、あと、毎日更新楽しみにしてます!私的には昌平君とか李牧も好きです…←すみません余談を(´;ω;`) (2019年7月29日 22時) (レス) id: 8418efb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 紫苑さん» ですよね!!!!ちゃんとそこ読んで下さってありがとうございます(;▽;)頑張りますね!! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 私もバジオウ大好きです。これからも頑張ってください (2019年7月28日 21時) (レス) id: 3646c8eb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年7月23日 22時