３２お昼の時間。 ページ33
･
『…おっ。』
「あぁ？」
カツ丼を持って空いた席を探していると、丁度二席空いている真向かいに、爆豪くん“達”が座っていた。
『ここ、いい？他空いてなくってさー』
「むしろ歓迎！月居さんだよね？」
眉間にシワを寄せてこちらを睨む爆豪くんの隣とその隣には上鳴電気くんと切島鋭児郎くん。�麩し�は居ない様だ。
傍から見ればヤンキーにしか見えない集団だ。
爆豪派閥恐るべし。
『焦凍はここでよかった？』
焦凍以外の三人には聞こえない声量で確認。
嫌だったら申し訳ないし
「俺は何処でもいい」
『ならよかった』
了承を得た所で、私はとりあえず爆豪くんの真正面に座る。
「……んで俺の前に座んだよ」
軽く舌打ちされる。
そんなに私のことが嫌いか！
『減るもんじゃないし、ね？よろしく頼むよ』
「うぜえ！！！！」
知ってる。わざとこのうざい口調にしてみた。
「…うま」
『やだ、可愛い…』
ふと隣を見てみると、黙々と蕎麦を食べている焦凍。冗談抜きで可愛い。
「…てめぇ、今日はカツ丼かよ」
『この間爆豪くんに一口貰ったの美味しかったから』
「「え！！？」」
切島くんと上鳴くんが見事にハモった。
「この爆豪勝己が他人に自分のメシを…」
「一口あげた…だと…！？」
「テメェら俺を何だと思ってやがる！！！」
私はこの二人が打ち合わせでもしてきたんじゃないかって疑問に思ったよ。
『あ、蕎麦…一口下さい』
「…ん」
少し残念そうにしながらも蕎麦を差し出してきた焦凍。
そのひとつひとつの仕草がもうホントかっこかわいい愛してる。
「…食わないのか？」
『あぁあ待って待って食べる！！』
蕎麦を再び自分の元へ寄せようとしたので慌てて止める。このチャンス逃すものか。
カツ丼を食べた箸を使うのは気が引けるので新しい箸を取りに行こうと立ち上がった
「……？これ使えばいいだろ」
そう言って差し出してきたのは焦凍が使っていたお箸。
んんんんんわざと？殺しにかかってる？
その無自覚は罪なんだよ！！！
「……悪ィ、こういうのだめなタイプか？」
『全然いけますむしろありがたいです』
さっきも言ったろ？このチャンスを逃すものかと！
いや言ってはないか。
「二人って、もしかしてデキてる？」
上鳴くん。このタイミングでそれ？
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
