１喜びの春 ページ2
･
『ねー、焦凍ー』
「…、？」
それは春。
それはそれはとても喜ばしいこの日。
『どうしよう、ドキドキするドキドキするドキド…』
「うるさいぞ」
今日から高校生活の始まり！！(焦凍との)
かの有名な雄英高校へと、私たち二人は並んでゆっくり歩いていた。(とりあえず駅まで)
試験は案外簡単だった。
これが難関かーって感じだった。
『焦凍と高校生活ねぇ〜…
むふ、むふふ…』
高校生活まで焦凍と一緒だとニヤけがおさまらない。
「…大丈夫なのか」
『大丈夫大丈夫問題ない』
「その顔はちょっと問題あると思うが」
おいそれ、女子に向かって言う言葉じゃない。
でも焦凍だから許せる。
『ていうか焦凍制服似合いすぎ、一言で収めるには収まりきらなすぎるけどとりあえず神』
「……」
何も返事が来ないってのは置いといて、その姿を無言で写真に収める
「おい、なに撮ってんだ」
『なんかかっこいい人がいるなあと思って。』
「…？どこだ？」
首を傾げて自分の後ろを振り返る焦凍。
え、君の事なんだけど。
「…誰も居ないぞ？」
『うんそうだね。』
だって君の事を言っているんだから…(遠い目)
でも、こうして焦凍と一緒にヒーロー目指せるのはとても嬉しい。
そして友達もいっぱい作りたい。
「そんなに楽しみか？」
少し微笑みかながら尋ねてくるこの天使は私を軽く殺したいのだろうか。
『ううううううううん楽しみすぎて爆発しそう！』
「もうしてるだろ」
『おい』
その時の焦凍の表情も写真に収めておけばよかったなぁ。
･
それからというもの、なんだかんだ初めての満員電車なんかに乗ったり、桜並木を歩いたり。
めっちゃ春らしくない？
めっちゃ高校生らしくない？
青春してない？？いやもう最高。
電車に乗る時なんか、焦凍とドアに挟まれる形でスペース作ってくれて(ほぼ壁ドン)、もう焦凍の無意識天然で紳士な一面を朝から拝めることが出来たありがとう。
「…見えてきた」
『うおおおう！』
焦凍の後ろをゆっくりと歩いて焦凍の事を眺めていると、いつの間にかそこに着いていたようで。
『うはー。人いっぱい！』
「ほら、行くぞ」
『んんん！？』
私の手を引っ張って歩くのも、それは無意識なのでしょうか。
だったら罪だ。
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
