７テスト後-2 ページ8
･
「…！？」
まだ驚いてる顔してる。
焦凍の方が静かだったので振り返って存在の確認をしてみると、居た。
…居たんだけど、
「……………」
どうしたのその表情。
眉間、さっきのテストの時よりも酷いシワなってる。
『えっ、なに？』
固まったままの二人
「っ…は、なせよ！！」
『あ、ごめん』
乱暴に振り払われた。少し痛いです。
「お前…怪我治すとき誰にでもこんなことしてんのか」
『じゃないと治せないし。
でもあんまり使った事ないなー
焦凍になら結構あるけど』
「…あ？」
爆豪くんは顔を上げ、その鋭い目付きで私の後ろの彼を捉える
『…もう一つの個性、“発生”は…』
…発生させるのは私が欲しかったもので。
コトッ！という小さな音と共に、机にホットココアの入ったマグカップが現れる。
『こういうこと。』
「…！？」
再び目を大きくした爆豪くん。
…何、さ？さっきからのその反応、…何だか可愛い。
「……ふ、ふーーーーん？？
…ッ今回は特別に見逃してやる！！
次は本気出せよ怪力女！！！」
そういってドカドカと教室を出ていってしまった。
『……』
「……」
一度発生させたものは消せないので、マグカップは持ち帰ることに。
『…よし、帰るか』
「……」
荷物を持ってドアへと向かうと、後ろから無言で静かに焦凍もついてくる。
『…え、どうした？』
「…」
ずっと下向いてる。何、可愛いやめて。
「…“治癒”。お前、俺にしか使わなかったのにな」
『…、』
“なんで”、で止まったまま口を閉じた焦凍
『……基本焦凍にしか使ってなかったね、そういえば。
爆豪くん、いまいちよく分かってなかったみたいだったし…自分の目で確かめたら納得できるかなって思った』
「…そうか」
…少し顔を上げた焦凍
いつ見てもイケメンだ…
「……ここ。」
『え？』
学校から出た時だった。
右腕の肘あたり。擦り傷が出来ていた
『本当だ。治そうか？』
「頼む」
『おっけい。ごめんね、お母さんみたいに手で治せなくて』
「いや、いい」
口を近づけようと思ったのだが、周りに人がいっぱい居る。
「…場所変えるか？」
『…ま、いいや』
「いいのか」
場所なんか気にしない。((
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作者名：おもち
| 作成日時：2019年3月24日 23時
