いや、ただ偶然出会っただけだけど。２【灰谷蘭】

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『かけられた…って言ったら？？』


「ふぅん」



ニコリと意味深に笑った蘭。
えっ、怖。





「はい、お待たせ！わたあめ出来たよ｣





突然の屋台のおじさんの声にビクッと肩を揺らすと
「美男美女カップルだねえ」と言って
私と蘭を交互に見遣る。


『えっ』


“カップル” という言葉に思わず反応してしまう。
顔に熱が上ってしまって、今蘭の顔見れないわ。




「可愛らしいねえ」



私の反応を楽しむかのように笑う屋台のおじさん。
恥ずかしいからやめて欲しい。




「…んじゃ、行くぞぉ」


私の手を引いて歩き出す蘭。

次は焼きそばだったっけ。



「……」



……あれ。

心做しか、
私の手を掴む蘭の力がさっきよりも強い気がする。




『…蘭？』


「ん？」


『あ、いや……な、なんか怒ってる？』


「怒ってねぇよ」



だから、その笑みが怖いんですって。




「…上着持って来ればよかったな」


そう小さく呟いた蘭。



『寒いの？』



だったら私のせいだ。
この雨の中歩き回らせてしまったし…


少し俯くと、突然立ち止まった蘭。



思わず蘭の背中に顔面を強打してしまった。




「…周り見えてねぇの？
……お前男に見られてんぞ」


『男？』



眉間にシワを寄せて振り返る蘭に首を傾げる。

…周りの男とは。



辺りを見回すと、
屋台に並んでいる男性グループがふと目に入った。


そしてそのグループの何人かと目が合う。




『…目が合った。

……あっ、微笑まれた。』



「…あ？」



蘭のオーラがやばかったのか、
目が合ってもすぐに逸らされたけど。




わたあめを食べながら別の方向に目を向けると次は
強面の男性グループと目が合う。

その人たちはニヤニヤとした表情で
こちらを見つめていた。




「…」


蘭もその視線に気が付いた様子。



その強面グループは蘭が隣に居るにも関わらず


「よォマブい姉ちゃん！」
「俺らと遊ぼーぜー」


なんて声をかけてくる。




『…え、なんか反応した方がいいの？』


「バカ、しなくていいわ」



…蘭にバカって言われるの結構いいかも。(変態開花)




「いい体してんねー！」
「俺らと1発……いや何発かどう？」
「お前それやべー！」



ギャハハ、と笑い出す強面グループ。




「は？殺す」


『ちょ！待て待て待て』




蘭の目がヤバいので、
とりあえず蘭の手を引いてその場から離れた。





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