いや、ただ偶然出会っただけだけど。【灰谷蘭】

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『ぉ、お風呂はっ？』


「服忘れたー」




そう言って服が入った紙袋を漁る蘭。



すると不意に振り返って

「…何？男の裸見た事ねーの」

と言って笑った。




『ぁぁあるっあるよっ』



私だって彼氏がいるんだ、見た事はもちろんあるけど
それとこれとは訳が違う。

振り返った先にイケメンが裸で立ってたら驚くわ。




「……へー、あるんだ」


『う、うん』




…なんか目のやり場に困る。




「で、お前から見たら俺らどうなの？」



またさっきの質問。
うまくかわしたと思ったのに。



『……かっこいいと思……うよ。うん。』


「……」
「……」




無言になんのやめろ。




『は、早くお風呂入ってきて！！！』


「はいはい」




もうまじでしんどい。
竜胆は裸で出てこないでくれ。

蘭で十分だ。




そんな視線を竜胆に向けると目を逸らされた。
おい。





これ以上一緒にいると私がやばいので、2人のことは完全スルーで夜ご飯を作ることにした。







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それからもう、大変だった。






お風呂上がりの蘭と竜胆の色気が暴発してて、その上上半身裸だし、思わず家出しそうになったり


2人の萌え袖が女子よりも可愛くて家出しそうになったり


2人とも私と同じシャンプー使ってるはずなのに、私よりもなんかいい匂いがしてて思わず家出しそうになったり




…あれ？ここって私の家だよね？


とにかくやばかった。
私が暴れてた。






落ち着きを取り戻した後、
3人でご飯食べて、私もお風呂に入って
よし、寝よう…ってなったときにふと思い出した。





『刺青結構大きかったね』



「興味あんの？」





上半身裸の2人を見てしまった時には卒倒しそうになったけど刺青のおかげで何とか気を紛らわすことが出来た。





竜胆は蘭の髪を弄りながら
2人して楽しそうにこちらを見つめる。




3人が寝られるほど部屋は大きくないから、
蘭と竜胆には同じ布団に入ってもらった。


2人は狭いからってちょっと嫌がってたけど
正直なところ私が見たかった。(変態)






『…私も入れてみ』


「お前はしなくていーよ」




まさかの即答。
まだ最後まで言えていないのに。





…そういや私、放課後の事忘れてる。

優希のメール相手は本当にただの知り合いで、
私の勘違いだったら絶対に優希の事傷付けてる。




「……、」




明日、それを確かめてから決めよう。





『…おやすみ』



「…ん」

「おやすみ」



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