2 ページ3
・
__柿組。
担任に案内され到着したのは柿組の教室前。
先生は教室に入っていってしまい、廊下に取り残された。
これから自己紹介するんだろうな、何を言おうかな…なんて考えていた時、
「水瀬、入ってこい」
ついに名前を呼ばれてしまった。
先程まで廊下にまで聞こえてきていたざわめきが収まっていて、クラスはシンとしている。
つまり入りにくい。
助けて童磨。(((
『失礼します…』
教室に入った途端、生徒からの視線が突き刺さる。
とりあえず怖い。
っていうか、自己紹介してる場合じゃないよ。
童磨を探さないと。
と、顔を上げたときだった。
「……A…?」
クラスの端、窓際の席に見覚えのある綺麗な子。
『……堕姫?』
「やっぱり……!!」
固まる私に対し、堕姫は泣きそうな表情で私の元へ走り寄ってきた。
そして、強い力で私を抱きしめる。
「また会えたね……っ」
堕姫の泣き声を聞いて思わず私も涙が溢れた。
『堕姫ぃぃぃ』
「うるさい、耳元で叫ばないでよ」
『えっ?辛辣すぎない?』
私たちが抱き合って再開の喜びを味わっていると、
後ろから「2人は知り合いかぁ!」という声と共に肩をトントンと叩かれた。
『誰だよ』
「なんで怒るの!担任の先生だよ!!」
『知らなかったや』
「あれ、これ舐められてる?
また問題児がうちのクラスに?」
“また” という事は、既に誰か問題児が?
誰だろう、と生徒に目を向けると、生徒達の視線が堕姫に向かっているのがわかる。
……あっ、納得。
「それと、“ダキ” ってのはあだ名かな?」
『へ?』
あぁ、もしかして。
ここでは堕姫の名前は “堕姫”じゃなくて“梅” なのかな
『……梅』
「うん。
でもあんたには堕姫って呼ばれる方がいい」
梅、と呼んでみると堕姫は嬉しそうに笑ってくれたけど、なるほどそうなのか。
堕姫の方がいいのか。
「君は謝花さんの前の席ね…
と、その前に自己紹介!!」
思い出したかのように大きな声でそう言った担任。
やっぱり自己紹介はやるのか…
『水瀬 Aです
よろしく』
「短っ…」
堕姫が何か呟いたけど気にしない。
これからどう過ごそうか……なんて考えながら、
堕姫と共に席につき、窓の外を眺めていた。
でもよかった、また会えた。
まず1人目。
2205人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふづき(プロフ) - 久しぶりにタイトル名で検索して一気見したのですが、更新されていてとても嬉しかったです。大好きな作品なので応援しています😭 (2月17日 1時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - 一気読みしてきました!もう心臓バクバクで午前2時ですが寝れません!!大好きです!! (10月16日 1時) (レス) @page20 id: 9817e1bb68 (このIDを非表示/違反報告)
Rigel(プロフ) - コメント失礼します(*´-`)めっちゃ面白いです!!続きが気になります!!体調にはお気を付けて、更新頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年3月23日 21時) (レス) @page20 id: 7f1f562d52 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!ずっと更新楽しみにしてました(;_;)またおもちさんの書く童磨が見れると思うとすごくテンション上がります!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年9月27日 23時) (レス) id: f7ce79b087 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あみさん» こちらこそ嬉しいです……ありがとうございますヽ(;▽;)ノ更新頑張ります!ありがとうございます…!!(゚´Д`゚)゚。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2020年1月16日 22時