検索窓
今日:2 hit、昨日:33 hit、合計:617,566 hit

147 ページ49






場面は変わり私が落とされた場所。

ドサリ、と冷たく硬いものにぶつかった。




『……床、』





そう、床。

見覚えのある床。





そしてここがどこかわかった瞬間、
鼓動が加速し出す。




『ど、童磨の寺院……!
ありがとうっ……鳴女ちゃ、』


……と、ここで私の言葉が止まる。
なぜ止まったのかと言うと、この気配だ。





何やら禍々しい気配がそこらじゅうに立ち込めている。……いやこれは殺気?



とにかく、なにも感じなかったことにしよう。






『……よいしょ、』



立ち上がり早速童磨の部屋へ向かおうとした時、
ドタドタと騒がしい足音がこちらへ向かってくるのがわかった。





足音の聞こえてくる方向に目を向け、少し身構える私。



でもこの気配……。
もしかして、






「Aッ……!?」






童磨だ。








童磨の気配だったんだ。
禍々しすぎて分からなかった。



でもそんなことどうでもいい

いまは童磨だ





『童磨……!!』



手を広げて優しく笑う童磨の胸に、私は迷わず飛び込んだ。

この冷たい体温も匂いも心臓の音も、すべて童磨だ。





「どうしてここに来られたんだい?」



頭上から降ってくる優しい声。
あぁ好き。




『私が無惨様にお願いした
全身全霊をかけて』




ギュゥゥ、と音がするくらい強く抱きしめると童磨に「苦しいよ」と引き剥がされそうになる。





『離れないで!!』


「ぐえッ……」





だからより一層、私は腕に力を込めた。

ここで離してしまったら、本当に離れていってしまいそうで何だか怖かったから。





『童磨、童磨』



「うん」





童磨の胸に頬ずりする私の頭を一定の間隔と強さで撫でる童磨。それがとても心地よくて、人間のように眠ってしまいそうなこの安心感。

私がここまで心を許せるのは童磨くらいしかいない。


それほど童磨は私にとって唯一無二の存在なのだ。




『半日しか経ってないけど、ずっと会いたかったよ』



「……嬉しいな」





この時、見たこともない優しい笑顔で彼は笑った。






「俺もだよ」



なんて言って。









『あっ、ちょ、今すぐ抱いて??』



「気は確かかい?」




148→←146



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (429 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1491人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 童磨 , 鬼滅
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おもち(プロフ) - ゆめふひさん» そうなんですよッッッッ!!?下心丸出し仲間ですね!!!(o´艸`) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆめふひ - 実はお互いに、鬼だから.........。と思っているけどその感情にきずいてないだけなんですね!!素敵(///ω///)抱かれたいわ(照)(いつもの下心) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 027152ac96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ももさん» わわわわかってくれたんですか……!!!?感激すぎる……゚(゚´Д`゚)゚。ですよねですよね!!?(自分で言う)こんな童磨萌えるなぁと思いましてッッ!!! (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
もも - 「取られたから」ってヤバイ!!(独占欲…)そんな素晴らしい言葉があったとは!! 離れた時間が愛を育てる感じがたまらないですね(>_<) (2019年12月16日 19時) (レス) id: 059a63c2b5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - setuna7014さん» あぁぁぁあ!!!!(汚い高音)本当ですね!!!!間違えてます!!ありがとうございますッッ!!!!(〃▽〃) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おもち | 作成日時:2019年12月1日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。