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場面は変わり私が落とされた場所。
ドサリ、と冷たく硬いものにぶつかった。
『……床、』
そう、床。
見覚えのある床。
そしてここがどこかわかった瞬間、
鼓動が加速し出す。
『ど、童磨の寺院……!
ありがとうっ……鳴女ちゃ、』
……と、ここで私の言葉が止まる。
なぜ止まったのかと言うと、この気配だ。
何やら禍々しい気配がそこらじゅうに立ち込めている。……いやこれは殺気?
とにかく、なにも感じなかったことにしよう。
『……よいしょ、』
立ち上がり早速童磨の部屋へ向かおうとした時、
ドタドタと騒がしい足音がこちらへ向かってくるのがわかった。
足音の聞こえてくる方向に目を向け、少し身構える私。
でもこの気配……。
もしかして、
「Aッ……!?」
童磨だ。
童磨の気配だったんだ。
禍々しすぎて分からなかった。
でもそんなことどうでもいい
いまは童磨だ
『童磨……!!』
手を広げて優しく笑う童磨の胸に、私は迷わず飛び込んだ。
この冷たい体温も匂いも心臓の音も、すべて童磨だ。
「どうしてここに来られたんだい?」
頭上から降ってくる優しい声。
あぁ好き。
『私が無惨様にお願いした
全身全霊をかけて』
ギュゥゥ、と音がするくらい強く抱きしめると童磨に「苦しいよ」と引き剥がされそうになる。
『離れないで!!』
「ぐえッ……」
だからより一層、私は腕に力を込めた。
ここで離してしまったら、本当に離れていってしまいそうで何だか怖かったから。
『童磨、童磨』
「うん」
童磨の胸に頬ずりする私の頭を一定の間隔と強さで撫でる童磨。それがとても心地よくて、人間のように眠ってしまいそうなこの安心感。
私がここまで心を許せるのは童磨くらいしかいない。
それほど童磨は私にとって唯一無二の存在なのだ。
『半日しか経ってないけど、ずっと会いたかったよ』
「……嬉しいな」
この時、見たこともない優しい笑顔で彼は笑った。
「俺もだよ」
なんて言って。
『あっ、ちょ、今すぐ抱いて??』
「気は確かかい?」
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おもち(プロフ) - ゆめふひさん» そうなんですよッッッッ!!?下心丸出し仲間ですね!!!(o´艸`) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆめふひ - 実はお互いに、鬼だから.........。と思っているけどその感情にきずいてないだけなんですね!!素敵(///ω///)抱かれたいわ(照)(いつもの下心) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 027152ac96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ももさん» わわわわかってくれたんですか……!!!?感激すぎる……゚(゚´Д`゚)゚。ですよねですよね!!?(自分で言う)こんな童磨萌えるなぁと思いましてッッ!!! (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
もも - 「取られたから」ってヤバイ!!(独占欲…)そんな素晴らしい言葉があったとは!! 離れた時間が愛を育てる感じがたまらないですね(>_<) (2019年12月16日 19時) (レス) id: 059a63c2b5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - setuna7014さん» あぁぁぁあ!!!!(汚い高音)本当ですね!!!!間違えてます!!ありがとうございますッッ!!!!(〃▽〃) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年12月1日 20時