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そんな私を見つめる童磨の表情はどこか暗い。
眉を顰めて何か考え事をしているかのよう。



『…童磨、私はさ、私は……、童磨に着物を贈りたい
紅も贈りたい、簪も贈りたい』


「俺は男だけど?」


『知ってる』


「………ねぇどうしたの?さっきまでと雰囲気が…」



私の様子が変わった事に気がついたのか、店から出ると童磨に人気の無い路地まで連れてこられた。

とはいっても、路地の奥にはイチャイチャしてる男女が一組いる。とりあえず爆ぜろ。


『なんでもないよ?』



にひひ、と笑ってみるも童磨の表情は変わらない。
ずっと眉を顰めてる。

かっこいいなぁ……って、また見惚れてしまう。




『……何度目の失恋だ』


なんて呟いてみれば、笑いが込み上げてくる。

あの鬼殺の隊士の男の子三人組の言っていた通り、
彼の眼中に私は映っていない。
微塵も。



「それ、どういう事?」


彼の声色が明らかに変わった。…気がする。




『童磨は知らなくていいよ
どうせ何とも思わないんだから』


「何を拗ねてるの?」




あれ、私、童磨の言葉めちゃくちゃ引きずってる!!
私の態度に童磨もだんだん怖い顔になってきてるし。


私たちのピリピリとした空気が辺りに漂い、
それを感じたのか、向こうでイチャイチャしていた男女も足早にここを立ち去っていってしまった。


この路地には私達しかいない。




『……なんで鬼になっても恋なんてしてしまうのかな?こんなに無駄な事なのに』



笑いながらそう言って、私の手を掴もうと手を伸ばしてきた童磨を押し退けた。





「…そうだよ。そんな無駄な物、お前には必要ない。
だからさ、教えておくれ。
相手は誰だい?俺が代わりに殺してやるよ」



童磨はそれでも尚、片方の手で私の手首を掴み、反対の手を伸ばしてくる。




『どうして私に構ってくれるの?
昔はあんなに冷たかったのに』



「……」





ピタリと童磨の手が止まった。
その手は降ろされ、童磨の冷たい目は私をとらえる。

何を考えているのか、私にはやっぱり分からない。




「……特に理由はないけど?」


『じゃあ私が童磨の屋敷から離れても
何も思わないんだよね?』


「つまり?何が言いたいの」




童磨はきっと、私が居ても居なくても
どちらでもいいはずだ。


堕姫に聞いたこの方法。
“押してダメなら引いてみろ”




『私、しばらく童磨には会わない事にす……』




__その時、

言い切る間もなく、童磨が私の首を掴んだ。

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おもち(プロフ) - ゆめふひさん» そうなんですよッッッッ!!?下心丸出し仲間ですね!!!(o´艸`) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆめふひ - 実はお互いに、鬼だから.........。と思っているけどその感情にきずいてないだけなんですね!!素敵(///ω///)抱かれたいわ(照)(いつもの下心) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 027152ac96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ももさん» わわわわかってくれたんですか……!!!?感激すぎる……゚(゚´Д`゚)゚。ですよねですよね!!?(自分で言う)こんな童磨萌えるなぁと思いましてッッ!!! (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
もも - 「取られたから」ってヤバイ!!(独占欲…)そんな素晴らしい言葉があったとは!! 離れた時間が愛を育てる感じがたまらないですね(>_<) (2019年12月16日 19時) (レス) id: 059a63c2b5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - setuna7014さん» あぁぁぁあ!!!!(汚い高音)本当ですね!!!!間違えてます!!ありがとうございますッッ!!!!(〃▽〃) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年12月1日 20時

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