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「何のためにAを煌と組ませたと思っている?」


「……ですよねぇ!」




あはは!と笑う童磨だけれど、いつもとは違ってどこか硬い笑顔。



『……いやいや……そんなの私、これからやっていけないんですけど……』




頭を両手で抱えしゃがみ込むと、私の前に立つ無惨様に長い溜息をつかれてしまった。
いやいや、溜息なんて私の方がつきたいよ


煌と呼ばれる男はまだニコニコとそんな私を見つめている。




「そういう所だ
そんな調子で童磨が死んだらどうなる?
無駄な感情は必要ない

鬼だということを忘れるな」



『……すみません…』



……無惨様が私の髪の毛をぐしゃぐしゃしてきた。
なんでだよ




「じゃあ俺の寺院にあるAの部屋は、」


「もう必要ない」


「……分かりました〜」




だんだん笑顔がなくなってきた童磨。
口元には笑みを浮かべ、目は煌という鬼を捉えている。



「俺、大して強くないんですが大丈夫ですかね?」


『え?……童磨が強かったしなぁ』




煌が私に密着してきた。
スススと避けて童磨に近づくと無惨様に睨まれる。


……もうこれは頷くしかないのか…





『…分かりました』




無惨様の足元を見ながらとても小さな声で頷いた。
無惨様に届くか届かないかくらい。





「……A、」


「ありがとうございます!
これからもよろしくお願いしますね!」





童磨が一瞬私の名を呼んだけど煌の声によってかき消される。
今童磨の目を見てしまったらこの話、絶対断りたくなるので見ないように俯いた。






『……宜しく』




だから煌にはちょっと素っ気なく返事をしてしまったけど許してねこれくらい。


どうせコイツが死ねばまた童磨に会えるかもしれないでしょ?





「……A…本当に」



『うん。

……無惨様、下がっても宜しいですか?』



「好きにしろ」






童磨には素っ気なくするつもりがないのに何故か素っ気なく返事をしてしまった。


童磨とはまだ一緒に居たかったな



好きだったな

……まぁそれはこれからもだけど





『鳴女ちゃんお願い……』


「…分かりました」





先ずは童磨から先に飛ばされる。



「……また、いつか。」


彼が消えるその瞬間、
最後に眉尻を下げて悲しそうに笑う彼と目が合った気がした。










再び琵琶が聞こえ、次に顔をあげた時にはもう、
そこは深く暗い森の中だった。

また私は独りになった。
こんなの、二人でいても孤独と一緒だ。

141→←イメ画作成しました!!※飛ばしても◎



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おもち(プロフ) - ゆめふひさん» そうなんですよッッッッ!!?下心丸出し仲間ですね!!!(o´艸`) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆめふひ - 実はお互いに、鬼だから.........。と思っているけどその感情にきずいてないだけなんですね!!素敵(///ω///)抱かれたいわ(照)(いつもの下心) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 027152ac96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ももさん» わわわわかってくれたんですか……!!!?感激すぎる……゚(゚´Д`゚)゚。ですよねですよね!!?(自分で言う)こんな童磨萌えるなぁと思いましてッッ!!! (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
もも - 「取られたから」ってヤバイ!!(独占欲…)そんな素晴らしい言葉があったとは!! 離れた時間が愛を育てる感じがたまらないですね(>_<) (2019年12月16日 19時) (レス) id: 059a63c2b5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - setuna7014さん» あぁぁぁあ!!!!(汚い高音)本当ですね!!!!間違えてます!!ありがとうございますッッ!!!!(〃▽〃) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年12月1日 20時

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