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「き…」
「キャァァァッ!」
耳を劈く女の悲鳴が辺りに響き渡った。
「腕がァァァッ…!」
腕を斬られた男は転げ回り、泣き叫んでる。
あぁもう、そんな大声出したら街の人達が起きちゃうでしょうが…。
「なんの騒ぎだ!?」
「お前ら何をしてる!!」
ほら、様子を見に野次馬たちが出てきてしまった。
私はまた死んだ目で童磨を見つめると、
彼は扇で仰ぎながら笑ってる。
呑気だな……かっこいいです。()
「だ、誰か!!助けて!!」
「警官を呼べ!!こいつら人殺しだ!」
腕を斬られた男の仲間は私と童磨を指さした。
こんな不穏な空気が漂う中、1人だけ笑みを浮かべる童磨に疑いの目が向けられてる。
「警官はまだか!?」
本当に面倒なことになった…
このまま走って逃げようかな
童磨の手をとりいざ走り出そうとした時だった。
「久々だな」
後ろから男の声がした。
ここには居なかった人物だろう。
そして恐らくその言葉は私たちに向けられたもの。
……いや、“私” か。
立ち止まり振り返れば、そこにはやっぱり知ってる人物が私をじっと見つめていた。
会うのはこれで3度目だ。
「……知り合い?」
『童磨も会った事があるだろが』
「そうだっけ?
…………あぁ、あの時の水の柱か!」
記憶力が良いのにすぐ忘れる…
でも記憶力がいいからすぐ思い出せる……
何だそれ羨ましいわ
『童磨、今日は帰って』
「え?なんで?」
『もう夜明け前だよ?薄暗くなってきてる。
それに前みたいにギリギリになるのは嫌だし。』
太陽に当たる寸前で屋敷に逃げ込むのは懲り懲りだ。
焦って焦って、もう心臓が持たない。
それなら私が足止めして童磨を先に逃がした方がまだいい。上手く行けばこの柱を葬ってやれるし。
「Aはここに残るのかい?」
心配してくれてるのか、童磨のちょっと笑顔が崩れてきてる。眉をひそめて。
『まぁ、すぐに帰るし大丈夫だよ
いざとなれば……まぁ何とかする!』
「またそんな適当な…」
「街全体を凍らせようか?」なんて恐ろしい事を言って、意地でもここに留まろうとする童磨の背中をグイグイ押すと童磨はもっと表情を曇らせた。
「……お前は逃げないのか」
『いやその言い方!
逃げるのは太陽からで、それに逃げてもらって助かったのはあなただよ』
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おもち(プロフ) - ゆめふひさん» そうなんですよッッッッ!!?下心丸出し仲間ですね!!!(o´艸`) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆめふひ - 実はお互いに、鬼だから.........。と思っているけどその感情にきずいてないだけなんですね!!素敵(///ω///)抱かれたいわ(照)(いつもの下心) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 027152ac96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ももさん» わわわわかってくれたんですか……!!!?感激すぎる……゚(゚´Д`゚)゚。ですよねですよね!!?(自分で言う)こんな童磨萌えるなぁと思いましてッッ!!! (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
もも - 「取られたから」ってヤバイ!!(独占欲…)そんな素晴らしい言葉があったとは!! 離れた時間が愛を育てる感じがたまらないですね(>_<) (2019年12月16日 19時) (レス) id: 059a63c2b5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - setuna7014さん» あぁぁぁあ!!!!(汚い高音)本当ですね!!!!間違えてます!!ありがとうございますッッ!!!!(〃▽〃) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年12月1日 20時