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「…………それで?」
笑みが濃くなった童磨。
私は知ってる、この笑い方。
めっちゃキレてる
「っ……」
その圧力に押された男は一瞬怯むも、
私の肩を掴んで離さない。
「わ、私の極楽はA様と一緒に生き、死ぬ事。
やっと見つけたのです」
いやいや、そんな勿体ない事しなくてもいいのに。
一生は儚いものだ、そんなものを私なんかと一緒に過ごして死ぬだなんて
やはり人間は愚かなんだと、改めて思い知らされる
「……離そうか」
童磨は静かな声で男にそう伝えるが男は首を振る。
__あぁ、童磨は女を殺したとばかり。
帰ってきてみればまだ女は生きていて、
その上童磨が女に口付けをしているという。
それを目の当たりにしたとき、私の心臓が止まるかと思った、本気で。
「この女は俺の、」
と、童磨が私を見ながらそう言うと男が被せるように
「そちらの女性は?」
と、あの女を指さす。
「……君に言う必要は無いかな」
冷たい声だった。
そうだ、一度、
童磨が気に入った女をしばらく手元に置いていた時期があった。
結局その女は殺したけど、
この女も気に入られたのかな
そうなると私は……
やめよう、悲しくなってきた
『……』
「えっ?」
童磨が私を見てぎょっとした表情に。
ボロボロ静かに涙を流しているのを見れば誰だってそうなるだろう。
『……っ』
その隙に緩んだ童磨の手と男の手を振り払い、
全力で玄関へダッシュ。
外は童磨が出てこられないからだ。
__と、思っていたのに。
「A!!待ってよ、」
『え、っ』
何故、外なのに。
童磨が私の手を掴んでいて、
その手が陽の光によりじわじわ炙られていく
「……っ、A、」
『……!』
童磨を抱きしめ、屋敷の中へ引き返す。
玄関の扉を閉めて陽の当たらない奥の部屋……童磨の部屋に戻ると、不機嫌そうな女と目が合った。
あ?(威圧)
「え、教祖様……?急にどうされ、」
『ごめん…私のせいだ』
私のせいだ、
さっきまでは元気だったのに、急に元気の無くなった童磨を見て男とあの女が心配そうに近づいてくる。
「ねぇA、行かないでくれよ」
『な、』
熱の篭った目で見つめられ、思わず逸らしてしまう私
「……俺の、なのに」
どんな理由があって、私にそんな事を言うのか
…分からない
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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時