【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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『わかった。驚かせてごめん、童磨』



「……ん」




すると私を抱きしめて離さなくなった童磨。
私にとってこれはおいしい展開だ。

こういうのを童磨を好いてる女共に見せてやりたい。
自慢してやりたい。むふふ。




なんて事を考えていると、
カラン……と小さく何かがぶつかる音が聞こえた。




「…これ、」



『……！』





童磨が私におずおずと見せてきたものは、
バラバラの簪。









それを見た瞬間、ずっと我慢していた涙が溢れてきた。









『……それ……』




私が急に泣き始めるものだから童磨は目を丸くして驚いている。





『どうしよう、最低なことをしてしまった……
ごめん、せっかくくれたのに、

わたし、大事にしてたのに……

うれしかったのに……』





手の震えがおさまらなくなり、
その手で顔を覆って蹲った。




「……A、」




童磨の声が私の名を呼ぶ。
とても優しい声色だ。


そして蹲る私に覆い被さるように抱きしめてくれた。





「いいんだよ、大丈夫、いくらでも買ってあげる
だから、お願いだから泣かないで…」





トントン、と私の背中をリズム良く叩く童磨の手。

さすが教祖様、信者にまだ幼い子どももいるからか
泣いてる人をあやすのはお手の物と見た。


そんな童磨に安心して、私の心も落ち着いてきた。





「…Aが泣いたら俺も泣きたくなるんだよね
なんでだろう？」



『知らない』





真剣に考え出した童磨。
そんな童磨がおかしくて、ついつい笑ってしまった。




「Aに泣かれるのは困るんだよ」


そう言って童磨も笑う。






童磨の笑顔に見惚れていると童磨の腕が私を離した。
彼の体温が消えてしまい、少し寂しい。


…いや、かなり寂しい。







「A、」




口を開こうとした童磨の胸に次は私から飛び込んだ。






「…へ、」



『……』





ギュウッと音がするくらい強く。



私の行動に驚いたのか、
童磨はそんな私を離そうとはしなかった。







私はただただ無言で彼の腹にしがみついている。





その時思った。







『え、童磨、腰細……』



「……え？そうかな？」






彼の腰が細いのだ。


いや本当、何これ。
腰周りの程よい筋肉……引き締まってて……

いい体つきしてるじゃないか。(変態)




『筋肉最高……』


「普通じゃないかなぁ？……でもありがとう」




これが普通だと？ありえない


私は決めた。
今日は1日童磨を独占しようと。

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