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おかしな彼の様子に首を傾げた私。




「あの方なら仕方ないよね」



『……何の事か分からないけど、とりあえずうん。』




この場合、頷いておいた方がいい。





「でもそうやって誰これ構わず血を与えるのは良くないと思う。だから次からは俺だけに頂戴」


『あ、童磨はいいんだ?』





それに私は誰これ構わず血を与えてるわけじゃない。
童磨も無惨様も、勝手に血を吸ってくるのだ。


抵抗できない相手なんだからしょうがない。





「でも、俺相手だとAが痛みを感じるのなら
そういう事は控えようかな」



『え、やめるの?』




そっか、やめちゃうのか。

そんな目で童磨を見つめてみると、
「やめて欲しくないの?」と首を傾げられる。





「是非続けて欲しいと。」



見よ、私のこの自信満々な表情を。





「…………あぁ、これがあの方が仰っておられた
“まぞひすと” ってやつかな」



『なんだと?』





無惨様、童磨に一体何をお教えになったのだろう。

あぁでも、前に私も童磨に向かって “さでぃすと” だとか言っちゃったしね。(白目)





「ふふ、冗談だよ」



……あぁ、今日も笑顔が尊い。







…と、そんな彼に一つ質問をしてみる事にした。
私が先程まで、お風呂場で考えていたことだ。






『一つ聞いていい?』



「んー?いいよ」




私の顔を見ずに返事をした彼の横顔をじっと見つめ、口を開く。






『もし、私が死んだらどうする?』




「え?」





私の突飛な発言に振り向いた童磨。
その目は驚いたように、まん丸に開かれている。





『いや……
別にどうもしなくていいんだけどね、あはは』




そう言って笑う私だが、童磨がどう思うのか正直なところ聞いてみたかった。





「……、なんで?」



すると童磨は真剣な顔つきで私の目を見つめてきた。

……あ、まつ毛長くて綺麗……じゃなくて。





『童磨がどう思うのか知りたくなっただけだよ
今までずっと一緒に居たし』



「……、」





すると無言で月を見上げた彼は、そっと呟いた。





「その時は、優しく喰べてあげるよ
残さず、全部

Aが灰になって消えちゃう前にね」





その言葉を聞いた途端、心臓が高鳴った。






それは、私が望んでいた答えだったからなのかもしれない。

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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