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童磨の部屋の前で座り込み、彼を待つこと数分。
童磨がこちらに近づいてくる気配がする。






「A?どうしたの?気分が悪いのかい?」



『…あ、童磨?
遅かった…ね…!!?』





………顔を上げなければよかった。
目の前に立つ彼のあまりの美しさに目が眩んだ。



童磨の髪から雫が滴り落ちている。
ほんのりといい香りもする。



……あ、ダメだクラクラする





「?どうしたの?」



『ごめん目が潰れそう……』



「何事」






しかも服装……!!
久しぶりに童磨の浴衣姿を見た気がする。




「俺もお風呂に行ってたら遅くなっちゃった
ごめんね」




シュン、とした様子で謝ってくる童磨。

もう何しても好き。なんでも許せる。
つか、許すに決まってるだろ。





『もうなんでも許したい……。』



「あはは、ありがとう」





そう言って笑うと童磨は私に手を差し伸べてきた。


……触れてもいいのかな(震え声)





「ほら、行こう」


『………うん』





私に笑いかけてくれる童磨、
とりあえず私はその手を取り立ち上がる。



私が立ち上がったのを確認した童磨は繋いでいた手をそっと離した。


……寂しいな





「夜が明ける前に」



そう言って振り返った童磨の表情はいつもと違って儚いというか、尊いというか……

私はその後を走ってついていく。





「A、体は本当に大丈夫なの?
毒、結構きつそうだったけど…」



私の顔を覗き込むようにそう尋ねてきた童磨。
どこか不安そうな表情。





『うん、毒はもう完全に分解されてるよ
さっき女の人喰べて元気出たし』



笑いかけてみると童磨の表情も晴れていく。





「そっか!それは良かった」



童磨はそれだけ言うと屋根に繋がる階段を登っていく。



……もしかして、本気で心配してくれてた?





『……え』





そう分かった瞬間、顔に熱が上りじわじわと熱くなるのが分かった。





「……え、顔赤……」



『ぎゃっ……後ろは振り返らず前だけを見て進め!!』



「何その名言」





タイミング悪く童磨に顔を見られてしまったとは。
しかも驚かれてしまった。


くそ、顔面だけは気を付けていたのに。





階段を上りきり、屋根に出る。






何時間前に見た月が、当たり前だけどまだそこにある。




でも、あの男と見た時よりも綺麗に見えるのは
童磨と一緒にいるからなのかな

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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