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『ありゃりゃ、部屋と着物が汚れちゃうじゃん』



「!?」





男は驚いたまま固まってる。

なんだなんだ、私の声聞こえてる?




「なんなのあんた…っ」



女も立ち上がり、童磨の後ろに隠れる。
ちょ、触んな。





「な、なんで……」



やっと口を開いたかと思えば、
男は小刀を私の腹から抜き、もう一度刺す。








『だから、効かないってば
残念だねぇ』



そう言って笑ってみれば男が尻もちをついて後ずさる。

情けない
先程までの勢いはどこに行ってしまったんだ





「ひ、ヒィィッ…」



所詮はこの男も人間だ。

恐怖に顔を歪め後ずさるまま、この部屋を出ていこうとした。

逃げるの?







「ちょっとちょっと、逃げないで」



『わぁ…』






童磨が扇を振ると扉が凍る。

ついでに言ってしまえば男の足と床も凍りついて離れないのだろう、男がもがいてる。




「えっ、なに、っなに!?」



女も訳が分からず、童磨の背中にくっつきながら叫んでいる。だから触んなって。




「逃がすのはまずいからさぁ

ね?」




にこり、と優しく笑うのと裏腹に
男の体をじわじわと凍らせていく。





「た、助けてくれっ、A様……っ」



『もし本当に腹に子がいる女を刺してたら
お前きっと恨み買ってぐちゃぐちゃにされてたからな

刺したのが私で良かったね!』



「っ……!?腹に、子はいなかったってことか!?
私を嵌めたのか…っ?」






私の血で濡れた手を私に向ける男。

その手は震えていた。



寒いのか、怖いのか。






「……っ」






だんだん、動かなくなってきた男はその虚ろな目で私をじっと見ている。





「ねえ教祖様っ、この氷は一体何なのですか!?
男の人、死んじゃいます……っ!」






後ろで喚く女を無視して童磨は続ける。





「…っお前ら、鬼か……!」



『いや2度刺された私がまだ元気な時点で気が付けよ』



「く……っ」








やはり人間は愚かで頭が悪い。
ちょっとしか生きていないからかな






「……あれれ、おーい。

…まだ死なないでね?」




男が顔を上げれば、残酷に笑う童磨。

相変わらずこの人はサイコパスだなと改めて思った。




「ヴッ……」



「あ、痛い?ごめんごめん」






ケラケラ笑いながら謝る辺り残酷すぎて大好きです。






「ね、ねぇ……どうなってるの?教祖様?」




グイグイと童磨の腕を引く女だったが、
空気が読めてきたのか私たちから距離を取った。

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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