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_そしてたどり着いた、童磨の部屋。




『スー…ハー……スー…ハー……』






重い空気を纏う扉を前に、私は深呼吸を繰り返す。




入っていいのだろうかこれは。

童磨の部屋ではなくて、地獄の門じゃないの?これ…






「いつまで深呼吸しているんだい?
早く入りなよ」



『是非、入りたいと思ってました』






く、苦しいっ

入りたいと思ってましたって何だよ
むしろその逆だよ……







扉を開くとそこにはいつものように胡座をかき、頬杖をつく童磨の姿。


貼り付けた笑顔もいつも通りだ。








「あの男は何?」





私を部屋に入れて第一声がそれ。

だよね、聞かれると思ってた。





『答えたら私の質問にも答えて欲しいな』



「もちろん」






童磨はそう言って屈託なく笑うと手招きをする。

……来いってか?





ビクビクと警戒しながら童磨に近づいていくと
強く腕を引かれ、気がつけば童磨の腕の中にすっぽり収まっていた。



…………動けない。





『あの、……』



「うん、話してごらん」





この状態でか。








『……私がひとりで居る時に声をかけてきてくれた人』



「知らない人にはついて行かないって教えたよね?」



『いや教えて貰ってない、教えて貰ってない』






そんな保護者みたいなこと……
あ、もしかして童磨って私の保護者だったのかな。





「それでそれで?」



『えっ……。好きって言われた』



「……」



『げえっ……ちょ、潰れる潰れる』






急に童磨の腕の力が強くなった。
私の内臓が口から出るかと思った。





「………君も隅に置けないね」


『まぁ、私ほどになれば暗闇にも置けないぜ?』


「……」


『何か言えよ。』





何だよ、その顔は。
笑ったまま固まるのやめてよ。





『じゃあ次は私の番。
あの女は何?何で接吻してたの?』





私がそう聞くと、童磨はしばらく目を点にさせ
やがてハッとしたように私を見つめた。



「あの時の事か!」




童磨は私を持ち上げ、自分の膝の中に収めると
その時のことを話してくれた。







「あれはね、女が俺を引っ張って転んでしまっただけだよ。庇おうとした時にしてやられちゃった」



『…、殺してくる』



「ちょっ、落ち着いて」





ギュウッと童磨に後ろから抱きしめられ、だんだん落ち着いてくる私。









「これからどうする?

……俺、お前の周りにあの男がいるの
すごく嫌なんだけどなぁ」

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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