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おじさんに手鏡の入った木箱を風呂敷に包んでもらい、手を振って店から出る。


この店いいな、また来よう。





本当は童磨とも街を歩きたい。
でもこんなお天道様の下は歩けない。


あぁそうだ、無惨様がよく行かれるというあの街になら一緒に行けるだろうか?






「君、」



そんな事を考えていた時、後ろから声をかけられた。



『はい?』





振り向けば私の見た目と同い年くらいの男性が私を凝視して立っている。

何か用だろうか。



……鬼殺の剣士の匂いはしないから普通の人間だろうけど。






「貴方は婚約者が居るのかな」



『はい?』




いきなり私に話しかけてきて問われた質問がこれ。
急に何だって言うんだ。



『居ますよ』




居ないと言えば面倒な事になる。

それを分かってたからとりあえず頷いてやると、男はニコリと笑って



「私の家に来ないか」


などと言い出した。




頭湧いてるのかな……




『いやだから、私婚約者が居るって……』


「いくら渡せばいいのかな
うちに来なさい」





うわー……面倒くせぇ……



こういうとき童磨が居てくれたら
“この人が婚約者です” って証明してみせたのに。



今は昼間だし、私1人だし……






そうだ、路地裏に連れて行って殺してしまおう。
結局行き着いた先の答えはこれ。


でもこの男が悪いのだ。





「その簪は相手に貰ったものだろうな、
……うん、とてもいいモノだね。」




しかも何様のつもりか、簪を品定めし始めた。
そして手を伸ばしてきたので軽く払う。


強く払ってしまえばその脆い腕は
軽く飛び散ってしまうだろう。





「……気が強いんだね
大丈夫、私は優しいから…」




『触らないでくれますか
早く帰りたいので』






道のど真ん中でこのやり取りをしているものだから
行き交う人々は私たちを避けて通っている。


思いっきり迷惑な事してる。




それなのにこの男は何も考えず、我が物顔。
こういうタイプ、すごく嫌い。






「うちに来ればもっといいモノを探してやろう
だからうちに、」





手首をグイグイ引っ張られ、ついにその手を切り落としてやろうかと思った時だった。







「おいお前、今すぐその女から離れなァ」





男の背後から声が聞こえてきた。





この気配は………鬼狩りだ。





「な、なんだお前は……
私の勝手だろう」



男はまだ、私の手を離さない。

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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