【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 壱【童磨】

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『おーい遊びに来たよー。
猗窩座〜？』




真っ暗な森の中。



森だけではなく、外も薄暗くなってきている。





いつもなら彼が木の上で返事をしてくれるのに今日は何故か返事が返ってこない。忙しいのかな。





「っうわぁぁぁっ！！」



『……』





その時、後ろから謎な奇声を発しながら
刀を振りかざしてこちらへ駆けてくる男が1人。

恐らく鬼殺の剣士だろう





『おいで〜』


「しっ、死ねぇぇっ！！」




刀を振り、私の首に刃が当たる。…が。



「よしっ、死…………

……あぇれ？」




『わー！首切れたね！』





男のね。

人間が私に傷を入れられるとでも思ってんなよ？




あぁでも、あの市松模様の子と金髪の眠り姫みたいな男の子には腕切られたなぁ


2人共、呼吸を使ってたからかな(言い訳1)
それに私油断してたし？(言い訳2)






すると、



「やはりお前は強い！！」




静まり返った森の中に響いた男の声。
その声と同時に地面が揺れ、私の目の前の地面が崩れている。土煙がうざったい。


そしてその中心には猗窩座。

また地面割って登場しやがった。






『久しぶりだね猗窩座！暇だから来たよ
全然見当たらないから人殺しに行ってるのかと思った
どこに居たの？』


「お前もつまらない奴と一緒に居るから腕が鈍る」




これ会話できてる？





「どうだ、俺と来る気にはなったか」


『私は消えるまで童磨と一緒さ』


「何故そこまで執着する？
お前は強い。あいつは放っておけばいい。」


『それが出来ないんだよね、というかしたくない。』





急に真顔になった猗窩座。




「よく無事にここに来られたな
アイツは許したのか？」


『また黙って来た』


「殺されるんじゃないか？
“また” ……？」




みんなそう言うよね。
なんなの？童磨ってそんなに危険視されてるの？





『堕姫の所に遊びに行った時、黙って出ていったんだ
猗窩座と同じことを堕姫にも言われたなぁ…』



「……懲りない奴だな」






猗窩座が額を抑えた。

おぉ。
あの猗窩座がそんな表情をするなんて珍しい。





「……まさかあいつ、ここに来ないだろうな？」



『大丈夫大丈夫〜！恐らく』



「……」





あ、また抑えた。
やだなんか面白い。






『また童磨に嫌われたみたいなんだ、私』



「次は何をしたんだ」



『次とはなんだ次とは。
今回は特に何もしてない、と思う。』



「……」




そう呟いた私を猗窩座の瞳が捕らえた。

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