【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 壱【童磨】

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『私、話をしてただけなんだけど……』



「話？」




額に傷のある市松模様の羽織の男の子は
尻もちをついてる男を逃がすと私に刀を構えた。





『えー逃がしちゃったの？』



「……っお前、一体どれだけの人を食ったんだ！！！！100人や200人どころじゃないだろう！！」



『……わかるの？』




食べる度にいちいち数えていられないよ。
食べた数はそんなに少なくはないと思うけど。






『私、好きな人がいてさぁ
その人が全然振り向いてくれないの

今だって他の女と一緒にいるし。
こんな夜中なのにさぁ』




「……っ」





市松模様の男の子はそれでも私を睨み続ける。






「お前嫌われてるんじゃね！！！」





『……え』







後ろから猪くんがそう叫んだ。






なるほどそういう考えは今までした事が無かった。






『いやでも、話しかけたら話してくれるよ？
まぁたまに……いや、いつも冷たいけど最近優しいし』





「そういうのを嫌われてるって言うんだよ！！」




……嫌われているのか？





『いやいや、……』




「今だってお前じゃない他の女のところに居るんならお前じゃなくてその女を選んだってことだ！！」


「おお、伊之助すごいぞ！！
今日は冴えてるな！！」



「どうだ見たか！！！俺はいつも冴えてるぜ！！」





ここ、褒める要素あった？

ってか普通にグサリと来た。



確かに私、嫌われてるんじゃ……







『でもそれが彼の愛なり、優しさだと思って…』



「お前馬鹿じゃねーの？
久々に骨のあるやつに会えたと思ったが汶逸よりも馬鹿だな！！！」



「なんで俺なんだよ」






あれ、黄色い男の子眠ってるんじゃないの？
ってことはさっき眠りながら攻撃してきたってこと？

よく分からない……





『でも最近はずっと構ってくれるよ！？
抱き着いたら殴られてたけど今は剥がされるだけだし』


「普通好きな子には殴らないよなぁ」



『だから今は殴られないって言ったじゃんか！』



「でもなぁ」





さっきまであんなに怒ってた市松模様の子でさえ私に同情してくる。





『……え、嫌われてたの？私』



「嫌われてる自覚なしにアタックしていればもっと嫌われるぞ！」



「近づきたくもねぇな」



「俺も禰豆子ちゃんがいい」



『……』





これが私を襲った今日1番の衝撃事件だった。





『……』






だいぶ落ち込んだ。

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