【鬼滅の刃】報われたい 弐【我妻善逸】

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上弦の鬼に遭遇したというその彼女は。



腕と首元に怪我をしただけで済んだようだ。
余計な “跡” も首やら頬やらについているようだが。




俺は近づいてくる血とAの “匂い” で
Aが怪我をしたのだと分かったんだけど、



善逸は耳がいいから、きっと1番に気がついたのだろう





近づいてくるAの音、
その音から感じ取れる異変、


その全てを1番に察した善逸が部屋を飛び出した。




そんな善逸からする匂いは相当な “焦り” と “不安” 。



続けて俺も部屋の外に出ればAがフラフラよろけながら、血と涙を流している。




……Aの血の匂いと濃い鬼の匂い、
そしてAから感じ取れる匂いは “恐怖” と “不安”

善逸からはとても強い “怒り” を感じた。



初めてだった。






Aの腕に包帯を丁寧に巻いている善逸から
未だに強い “怒り” の匂いがする。


善逸がこんなに怒っているのは初めてだ。

俺でも少し怯んでしまうくらい。





まぁそりゃそうだろうな


大事な子が涙を流しながら
怪我をして帰ってきたら。


オマケに “跡” まで付けられてるなんて。





伊之助が刀を持って部屋を出ていこうとするのを必死で止めるA


そんなAには申し訳ないけど俺も便乗して部屋を出ていこうとする。




『上弦の弐だよダメだって！！！』




その言葉にハッとする。

そうだった、相手は禰豆子含め5人で戦っても適う相手じゃなかったんだ。






……となると、本当に悔しいだろう。

善逸がギリギリと歯を食いしばっている。





場が落ち着き、Aに目を向けると
いつもと違う様子の善逸に見惚れているA。



滅多にない善逸のキレた表情を見てニヤニヤしている。




“嬉しい” “怖い” “ドキドキ”

例えるならこんな感じだ。





善逸に目を向けると
怒った顔がだんだん真顔になっていく。




……え、どうしたんだ？






引き続き様子を伺うと、善逸はAの方を向いて
少し黒い笑みを浮かべた。







……あぁ、こりゃ




A、頑張れ。(遠い目)




手ぬぐいは諦めて明日の朝に返せばいい。
今日はご飯を食べて休もう。





善逸とAはどうぞごゆっくり。






「善逸、あまりいじめるなよ？」



「分かってるよ」





本当に分かってるのかなぁ……

そんな悪い顔で笑っても説得力ないぞ。

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