【鬼滅の刃】報われたい 弐【我妻善逸】

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いや怖いわ。
逆に怖い以外の感情ある？



……あ、憎いとか？

生憎こいつにお世話になったことはないからそんな感情は持ち合わせていない。




『めちゃくちゃ怖いです、当たり前でしょ』



「だよね！」





分かってたんかい。




……どうする？逃げるか？…いや、何処に？


善逸達の元には戻れない。
こいつは上弦だ、私たち4人でも適う相手じゃない。


まずそれ以前にこいつからは逃げられないだろうな
上弦だし







そんな事を考える私を他所に鬼は話を続ける。




「“凶” って鬼の名前なんだ。
“凶迷(きょうめい)” って言って、あの方に付けられた名前なんだけど…

……君を狙ってる、下弦の参の事だよ？」



『……！』





壁に追い込まれた私の目の前で立ち止まりニヤリと笑った。





「君、美味しそうだね
…でも食べない事にしてるんだ」


『……なんでですか？』




いけない、相手のレベルが自分より遥か上だったときに敬語を使ってしまう癖何とかしないと。

相手は鬼だぞ。






「下弦の参が俺に弟子入りしてきたんだよね
人間が鬼にだよ？面白いでしょ」


『……！？』




人間がわざわざ鬼に？
しかもよりによってこんなヤバそうな奴に？

そいつは相当肝が据わってるんじゃないかな。





「人間だった時の名前は……うーん、確か……

信次郎、だったかな？」



『！？』





その名前を聞いた瞬間、ドクンッと心臓が跳ねた。





「あれ、知ってるの？
あの方に紹介してみたら上手くいってさ。

アイツ、今ではもう俺の弟子みたいなもんだぜ？」



『……もしかして、お前がここに来たのって…』



「君、鋭いんだね
信次郎……いや、凶迷が君の名前を呟くものだからどんな子かと気になったんだ」




……それだけ？
私を殺さないの？


……思い返せばこいつ、私と戦う素振りをひとつもみせていない。





『それだけ？』


「うん！
あ、でも凶迷には申し訳ないけど俺も君の事気に入っちゃった……どうしたらいいと思う？」


『帰ったらいいと思います』


「あはは、辛辣だね」




いやもう帰れ。
お願い帰ってくれ。




私の足は小鹿みたいにプルプルしてる。
顔は真顔で表情に出してはいないけど恐怖でしかないんだ。



っていうか真顔の癖に下半身だけブルブル震えてるの面白い。いや、かなり面白い。





「今日はそれだけだよ
じゃあ、また会おうね！Aちゃん」


『遠慮します。もく来ないでください』

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