５２ ページ3
･
『気のせいじゃないですか？』
掴まれた手を離してもう一度微笑みかける。
伝われ〜、去れ〜、どっか行け〜、と念を込めて。
「えっ、本当本当。
まじ可愛い、これからどこか行こうよ」
振り払ったはずの手がまた私の手首を掴む。
あー、こりゃ随分としつこい奴に出会ったもんだ
せっかくの出来たてホヤホヤ団子が冷めちゃうだろ。
『…待たせてる人が…』
「そんなの放っておいて一緒に行こうよ
任務とか今は別に無いんでしょ？」
何なの！強引すぎる…と、
もう一度手を振り払おうと相手を睨みつけた時だった。
「…Aちゃんに触るな」
後ろからとてつもなく低い声が聞こえてきて、
私の手首を掴んでいる男の手をギリギリと掴んでいる善逸の姿が目に映った。
…善逸の気配が全く感じられなかった。
凄いなぁ…と、改めて善逸に感心した私。
「…は？な、なんだよお前…」
男の方も、突然出てきた善逸に驚いてるようだ。
「Aちゃんに触るなって言ったんだ
…その手、離せよ」
低い声でそう言って相手を眼光鋭く睨みつけた善逸。
それを間近で見られた私はこんな状況でありながら
不謹慎にもキュンとしてしまった。
「誰だよお前…
関係ないだろ、他人のくせにっ」
「この子、俺のなんですけど。
他人はお前だろ、どっか行けよ」
「な…っ」
わなわなと震え出した男。
『うん。その通りだから、どっか行けよ』
「ガビーン」
待て、なんだそのセリフ。
本当に大丈夫か。
私と善逸に拒絶されたチャラ男は
お会計を済ませるとフラフラと店から出ていった。
「…あんたら、肝が座ってるねぇ…」
後ろから見てたおばちゃんが
吃驚したようにそう言った。
『鬼退治してるので』
「Aちゃんが別の奴に触られるとか本気で無理なんで、耐えられないんで。」
「……そ、そうかい…大変だね、そりゃあ…」
あれ、おばさん引いてる。
あれだよね、善逸の言葉のせいじゃない？これ…
でも、また助けられた
『善逸、ありがとう…
何回助けられたかな。お礼しないとね』
「え？いいよそんなの。
俺、Aちゃんが居てくれるだけでいいから」
『グッハ…！！』
かっこかわいいからその照れ笑いやめろ！！
何回惚れさせるんだこの男は。
そんな事を思いながら、
団子を待つ2人の元へ善逸と一緒に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 947人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るーあ - ガチめに泣きました…もう…一生読んでられます…最高です…(語彙力無) (2019年12月25日 20時) (
レス) id: e490d5357b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Mahtaさん» そうですそうです！！！小説の力をお借りして下弦の参のみを復活させました〜！他の加減はもう居ないです……だがしかし。実は彼、下弦ではなく……。おっと、ネタバレになってしまうのでここら辺で！！(o´艸`) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - あれ台詞あってない気がする(今更) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - 下弦の参って原作ではあれっすよね？ほしさんが声当ててるあの人、、、｢ダメだ、、、おしまいだ！心は読まれ、肯定しても否定しても○される｣の人ですよね？けどあれですよね!小説の力d(( (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» なななななんですとおおぉ！！？嬉しいです！！！！更新だいぶ遅れてますね(´・ω・｀)今週中には更新したいと思いますので！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月11日 22時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おもち | 作成日時：2019年10月20日 23時
