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「あのさ、気付いて無いようだから言っておくけど
善逸あんたのこと好きじゃないから。
そうだね……本命は禰豆子じゃない?」
……目の前には笑ってる深琴。
あれ、これいつの記憶だっけ?
あぁ、これ善逸と上手くいっていない時の記憶だ。
「もう諦めれば?」
『……っ』
確かに、私と恋仲になるまでは
禰豆子ちゃんに花を贈ったり、寝てる禰豆子ちゃんにずっと話しかけてたり、
求婚してたり。
してた、けど。
私と付き合ってからはそれがない。
だから、
『私は善逸を信じるよ』
そう言うと、深琴は苦虫を噛み潰したような表情をして去っていった。
そのとき、闇が私を包んだ。
“じゃあね、Aちゃん”
その闇の中で善逸の声が響く。
顔を上げると、目の前には善逸の後ろ姿があった。
そしてその背中はどんどん私から遠ざかっていく。
『ま、まって』
手を伸ばすも届かない。
『……や、いか、ないで…』
どうしても届かない。
善逸が、光が、見えなくなっていく。
『……善逸ッ!!』
__バッと強く手を伸ばすと、何かに触れる感覚がした。
目が覚めたのだ。
「……あ、お、おはよう??」
『……あっ、おはよう…』
善逸の浴衣の袖を強く握っていたのだ。
無意識に。
『ほ……本物……?』
「へ?……え、俺?」
善逸の肩から胸元まで、ぺたぺたと触る。
「え、何……?
ちょっと恥ずかしいんだけ……わっ…!」
善逸の体を確かめた後、思いっきり抱きついた私。
『……どこにも、いかないで……
置いていかないで……ッ!!』
ギュウッと強く抱きしめる。
そして善逸の香りも堪能する。
スーハースーハー。()
「えぇぇぇAちゃん!?急に何どうしたの!!?」
驚きながらもちゃんと抱き締め返してくれる善逸。
はぁ、好き……
『いい匂いする、善逸、好きです』
「ままままま待って!?今それダメ!!!」
バッ!と私の肩を掴んで離した善逸の顔は真っ赤だ。
『……いやごめん、無理です』
「!!?」
そう言って負けじと善逸にしがみつく。
「本当どうしたの!?いや、嬉しいんだけど!!
ずっとこのままでいいんだけど!!」
『ならいいじゃん』
「でも俺の中の俺がヤバいの!!」
『何言ってんの?』
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るーあ - ガチめに泣きました…もう…一生読んでられます…最高です…(語彙力無) (2019年12月25日 20時) (レス) id: e490d5357b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Mahtaさん» そうですそうです!!!小説の力をお借りして下弦の参のみを復活させました〜!他の加減はもう居ないです……だがしかし。実は彼、下弦ではなく……。おっと、ネタバレになってしまうのでここら辺で!!(o´艸`) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - あれ台詞あってない気がする(今更) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - 下弦の参って原作ではあれっすよね?ほしさんが声当ててるあの人、、、「ダメだ、、、おしまいだ!心は読まれ、肯定しても否定しても○される」の人ですよね?けどあれですよね!小説の力d(( (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» なななななんですとおおぉ!!?嬉しいです!!!!更新だいぶ遅れてますね(´・ω・`)今週中には更新したいと思いますので!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月11日 22時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月20日 23時