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Aちゃんが俺なんかに守られるほど弱くないのは最初から、初めて会った時から分かっていた。
むしろ強かった。
それに比べて俺は弱い。
守ってあげられる力がない。
しかも、Aちゃんの事を探している鬼が
下弦の参だって?
笑わせんなよ…
絶対俺には適いっこないな
炭治郎ですらあの時下弦の伍に苦戦したらしいし
…あぁ、それにしても
Aちゃんの “音” が複雑だ。
ずっとザーザー、キーキーいってる。
深琴から解放された後、とても心地いい音だったのに
ここに来て、深琴の取り巻きに追われてからまた音があの時と同じような音に戻ってしまった。
そして、炭治郎から聞かされた鬼の話。
それを聞いてからは “絶望” に近い音に変わった。
…どうすればAちゃんを助けてあげられるんだろう。どうしたら笑ってくれる?
『大丈夫だよ、私がなんとかしてみせるから』
そう言って笑う彼女。
……無理、しないで。
うまく笑えていないのに。
とても悲しそうで、どこか思い詰めたような。
聞こえてくる音は、自責の音。
こんな音は優しい人からしか聞こえない。
炭治郎からも時々聞こえてくる、……けど。
Aちゃんは比べ物にならない。
胸が痛くなるくらい。
苦しくなって、もう聞きたくないって思ってしまうほど、とても嫌な音だった。
“私がなんとかしてみせる”って
絶対自分が犠牲になるつもりだ
そんな事はさせない
俺が死んだとしても
Aちゃんは俺が守る
弱くてもきっと守り抜く
誰にも触れさせはしない、壊させない
「Aちゃん」
『どうしたの?』
悲しそうに笑い、それでも無理やり笑顔を作り出して返事をしてくれた愛しい女の子
「俺は、Aちゃんを誰にも渡さないから」
『え”っ!?…いや、いきなり、え、え、』
その細い両肩を掴んで真っ直ぐ見つめるとAちゃんが顔を赤くして慌て出す。
…ってかこんな細い肩でよくあんなに速く刀を振り回せるよなぁ。
「だから、俺から離れないで」
『……ぐッッ』
「!?」
胸を抑えて悶えだしたAちゃん
心臓の音が大きくなって、そのスピードもどんどん速くなってる。
……え、大丈夫なの!?
「Aちゃん…?」
背中に手を添えるとビクッと肩を揺らしたAちゃんが赤い顔で俺を見上げた。
え、可愛い。
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るーあ - ガチめに泣きました…もう…一生読んでられます…最高です…(語彙力無) (2019年12月25日 20時) (レス) id: e490d5357b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Mahtaさん» そうですそうです!!!小説の力をお借りして下弦の参のみを復活させました〜!他の加減はもう居ないです……だがしかし。実は彼、下弦ではなく……。おっと、ネタバレになってしまうのでここら辺で!!(o´艸`) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - あれ台詞あってない気がする(今更) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - 下弦の参って原作ではあれっすよね?ほしさんが声当ててるあの人、、、「ダメだ、、、おしまいだ!心は読まれ、肯定しても否定しても○される」の人ですよね?けどあれですよね!小説の力d(( (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» なななななんですとおおぉ!!?嬉しいです!!!!更新だいぶ遅れてますね(´・ω・`)今週中には更新したいと思いますので!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月11日 22時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月20日 23時