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「…え、で、でも…私も冨岡さんとお話がし…」



「もう十分だろう」



「え……」






冨岡さんが鋭い目付きで深琴を睨む。





『ちょちょちょちょ!?冨岡さんんん!?
ほ、ほ〜れ行きましょう!!』


「大丈夫か」


『ノープログレム!!』




冨岡さんの手を掴み、走り出す。



危ない。
今の空気はものすごく危なかった。





……でも、一瞬見えた善逸の表情




私が冨岡さんの手を掴んだとき
善逸が顔を歪めたように見えたのは、気のせいだろうか。








「おい、A」


『ふぁい!?』


「さっきからどうした」





おかしいぞ、と顔を近づけられる。
…待って待って綺麗なお顔が近すぎる!!





「あの女は何だ?」



『あ…あの女とは?』



「……」




なんだ、その目は。
その目で察しろと言うのか。





『…深琴ちゃんなら、私たちの同期ですよ』



「……そうか」





聞くだけ聞いといてそれだけかい。


…ていうか、全速力で走ったせいで手当してもらった横腹の傷が痛む。






「…お前、そんな風に笑う奴だったか」



『え、』





急にそんな事を言われるとは思っていなかったものだから、今の私は恐らく間抜け面だろう。



冨岡さんの目を見れば、その真っ直ぐな眼差しに目を逸らせなくなる。






『…昔から、こうですよ?』



「……」





また笑顔を貼り付けると、不機嫌な顔で逸らされた。





「…出かけるって、何処に行くつもりで…」


『何処にも行かないですよ』


「…なんだそれ…」





ただ、1人で街中をブラブラしようかと。



私がそう言えば、冨岡さんが私に「あそこに居るのは嫌なのか」と尋ねた





『まさかそんなわけ。』


「……前に比べれば傷も増えたな」


『気のせいじゃないですか?』




さすが私の兄貴分である。
なんでもお見通しだな、とすこし恐ろしい。





「……その上成果も上げていないとも聞くが」


『……まぁ、そうなんじゃないですか?』





それでも私は笑顔を貼り付ける。
別にいい、これで。







「…お前の強さは俺が知ってる
どう言われようがお前はお前だ」



『…っわ、』




頭にポンッと手を置かれたと思いきや、ぐしゃぐしゃと撫でられる。

頭撫でるのが下手なひとだ。


とても不器用な人だけど
その優しさが伝わってきて




少し涙ぐんでしまった。

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かっちゃん - 夢主ちゃん死なないよね!? (2019年10月20日 22時) (レス) id: 7eb86f363f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こ、怖っ!言ってる事が!怖い!!こわ (2019年10月20日 21時) (レス) id: 797ba5ed2c (このIDを非表示/違反報告)
美夏 - せっかく、夢主ちゃん幸せになったのに…!これからどうなるの!?気になる…(ソワソワ) (2019年10月20日 21時) (レス) id: f5d18b0d48 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 二人共幸せそうだからいいけど、信次郎と深琴が何か同盟みたいなの組みそうで怖い……。頼むから邪魔が入らないでくれぇ……!(入ってもいいけど最終的には幸せになってェ……!!) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 970ab90d10 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» よかった!もう邪魔が入りませんように(;▽;) (2019年10月20日 17時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月13日 4時

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