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「話は済んだか?」
と、いきなり部屋に入ってきたのは炭治郎。
それに続いて入ってきたしのぶさんと伊之助。
……心做しかしのぶさんの笑顔がいつもの笑顔じゃない、ニヤニヤ笑いだ。
『あの、』
「なんですか?」
『見てました?』
「もちろんです」
『』
顔を覆って縮こまった私。
「見てたけどよ、お前ソイツの前だと表情全然違ぇな」
「え!?本当!!?夢じゃないよね!?」
『』
全てにおいて私はノーコメントでやり過ごした。
おい善逸もそれに反応するな。
「それじゃ、早いところ出発しよう」
炭治郎が荷物をまとめて出ていこうとしてる。
さすが長男、準備が早い。(関係ない)
『色々とお世話になりました』
「またいつでもいらしてくださいね」
「はいっ!!」
デレデレな顔で返事をする善逸。
それをジト目で見つめると「やだ可愛い!!!」と意味不明な返事とハグが返ってきた。
「それじゃ、」
『行ってきます』
しのぶさんに手を振って屋敷を出た私たち。
今は特に伝令も任務も何も無いので
もちろん行く場所も無い。
雑談をしながら街を歩いていた。
そんな時。
「……なんか見られてないか?」
『……思ってた』
「何だよ何だよ俺何かした!?」
「猪突猛進!!」
『それだけはやめて』
確かに伊之助の被り物も善逸の金髪も
どれも目立つものばかりだ。
でもそれとこれとは話は別。
こちらを見ているのはどれも、
鬼殺隊の隊員と思われる者達ばかりだった。
「……早く抜けるぞ」
『うん』
善逸をちらりと見てみると、
何やら険しい表情をしてる。
「どうした?善逸」
それに気がついた炭治郎が声をかけた。
「……何かすげー嫌な話が聞こえてきた。」
そう言って余計に眉を顰めた善逸に伊之助が尋ねる。
「アイツらのか」
「まぁな…」
「どんなだ?」
私が不安気な顔で善逸をガン見していたからか、
善逸がチラリと私に視線を向けて口を開いた。
「 “金髪頭、イノシシ頭、耳飾りの特徴を持つ3人の中に女が1人だけ居たらソイツを壊せ”
“そういや、手段は選ばず、殺すも生かすも構わない。壊して私のところまで持ってこいって言ってたよな“
……ってさ。」
『……、』
思わず言葉を失った。
…絶対あいつだ、深琴の仕業だ。
怒りか恐れか原因は分からないが、
震え出した自分の手をそっと抑えた。
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かっちゃん - 夢主ちゃん死なないよね!? (2019年10月20日 22時) (レス) id: 7eb86f363f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こ、怖っ!言ってる事が!怖い!!こわ (2019年10月20日 21時) (レス) id: 797ba5ed2c (このIDを非表示/違反報告)
美夏 - せっかく、夢主ちゃん幸せになったのに…!これからどうなるの!?気になる…(ソワソワ) (2019年10月20日 21時) (レス) id: f5d18b0d48 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 二人共幸せそうだからいいけど、信次郎と深琴が何か同盟みたいなの組みそうで怖い……。頼むから邪魔が入らないでくれぇ……!(入ってもいいけど最終的には幸せになってェ……!!) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 970ab90d10 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» よかった!もう邪魔が入りませんように(;▽;) (2019年10月20日 17時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月13日 4時