25 ページ26
・
部屋が静まり返った。
…あぁ、また私のせいで空気が悪くなった。
『…ごめん、本当にもう迷惑はかけないから…』
「……」
善逸は俯いたまま、なにも話さない。
「これから…1人で行動するってことか?」
炭治郎が眉尻を少し下げて尋ねてきた。
『うん…そうだよ。』
そう言うと、ジャリ、と音がした。
善逸が立ち上がって、こちらを見てる。
草履で湯飲みの破片を踏んでる。
危ないよ……って言おうとした時、
「いいんじゃない?そうしたいなら。」
……善逸が冷たい目で私を見る。
あんな目、初めて見た。
『…ッ』
ニヤリと笑った深琴と目が合った。
口パクで
「ば」
「か」
って
…
あぁもう、どうでもいいや
なんて、思ってしまった。
『…ごめん、』
何故か
口から零れたのはこんな言葉だった。
そばにいた伊之助が私に手を伸ばしたが、
触れられる前に、私は部屋を出た
「A!!」
後ろから私を呼ぶ炭治郎の声が聞こえたけど
構わずに走った。
行く宛てなんてどこにも無いけど
とにかく、ここじゃない場所へ。
『ゲホッ…』
全力疾走だったから、立ち止まった瞬間思わずむせて、涙も止まらずにしゃくり上げる。
こうなる事はだいたい予想出来てた。
予想出来てたのに、弱い私はまた泣いてしまう。
『…馬鹿だ、私』
しばらく動けず、誰もいない庭の隅っこで
ただひとりうずくまって泣くだけだった。
私は無力だ。
___本当、情けない。
「………え、何あの子。
僕のタイプなんだけど」
そんな馬鹿な私は
また変なやつに見つかったなんて
気付きもしなかった。
1048人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かっちゃん - 夢主ちゃん死なないよね!? (2019年10月20日 22時) (レス) id: 7eb86f363f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こ、怖っ!言ってる事が!怖い!!こわ (2019年10月20日 21時) (レス) id: 797ba5ed2c (このIDを非表示/違反報告)
美夏 - せっかく、夢主ちゃん幸せになったのに…!これからどうなるの!?気になる…(ソワソワ) (2019年10月20日 21時) (レス) id: f5d18b0d48 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 二人共幸せそうだからいいけど、信次郎と深琴が何か同盟みたいなの組みそうで怖い……。頼むから邪魔が入らないでくれぇ……!(入ってもいいけど最終的には幸せになってェ……!!) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 970ab90d10 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» よかった!もう邪魔が入りませんように(;▽;) (2019年10月20日 17時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2019年10月13日 4時