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『帰ったって……』



まだ、お礼も言えていないのに。





「あの人に関しては呆れて物も言えません」



ため息をついて、ベッドの脇に置いてある椅子に座るしのぶさん。





『あの人は私を助けてくれて…』


「これを助けたとは言いません
貴方を危険に晒したのと同じことです」



『……でも…』





私をここまで運んできてくれたのは冨岡さんなのに…




『任務だったんです。
冨岡さんの邪魔をしたのは私なんです。

足でまといだったのに、冨岡さんはわざわざここまで運んでくれて…』



「どうして…そこまで彼を庇うのですか?」




本当の事を言っただけで、彼は何も悪くないっていう事を伝えたかった。






それなのに。







ドアが急に開かれて、炭治郎や伊之助、善逸…そして深琴ちゃんが入ってきた。





「私気づいたんですけど!!
A、冨岡さんの事が好きなんだと思います!」



『……は、』







何言ってるの?この子




「いやいや、Aは善逸と…」



炭治郎がその言葉を撤回しようとするが深琴は止まらない。





「私見たんですよね!2人が抱き合ってる所!」





その場の空気が凍るのが分かった。





『待って、そんな事…』




自分の心臓がうるさく鳴り出した。



善逸の前でそんな事を言われるとは思わなかった。
違うのに、そんな事するわけがないのに。






「お前コイツのもんじゃなかったか?」




伊之助が善逸を指さした。




そうだよ。


そうだったんだよ。




そうだった、はずなのに…。






「う、嘘だ…Aちゃんは、」



善逸が俯いた。




「あ、ごめんなさい…
善逸とAって、恋仲だったんでしたっけ…?」




わざとらしく口に手を当てたこの女。



最低、だ





「…Aちゃんの心臓の音、速いね……」


『善、逸……?』


「……ねぇ、そうだったの…?」





目にいっぱい涙を溜めた君が、私を見つめた。


心臓がドクンッと、大きく鳴った。





その心臓の音を聞いた彼は




「……そう、だったんだね…」



と、乾いた声で笑った





『違う、善逸…!私は、』



「…ごめん、今は…」






善逸は小さな声で私の言葉を遮ると
部屋を出て言ってしまった。






「……、A、さん…」



しのぶさんが私に声をかける。





けど、今は何も耳に入ってこない。
頭が回らない
息も上手くできない









顔を上げるとあの女がニヤリ、と笑ったのが分かった。

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かっちゃん - 夢主ちゃん死なないよね!? (2019年10月20日 22時) (レス) id: 7eb86f363f (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こ、怖っ!言ってる事が!怖い!!こわ (2019年10月20日 21時) (レス) id: 797ba5ed2c (このIDを非表示/違反報告)
美夏 - せっかく、夢主ちゃん幸せになったのに…!これからどうなるの!?気になる…(ソワソワ) (2019年10月20日 21時) (レス) id: f5d18b0d48 (このIDを非表示/違反報告)
ハルサ(プロフ) - 二人共幸せそうだからいいけど、信次郎と深琴が何か同盟みたいなの組みそうで怖い……。頼むから邪魔が入らないでくれぇ……!(入ってもいいけど最終的には幸せになってェ……!!) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 970ab90d10 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» よかった!もう邪魔が入りませんように(;▽;) (2019年10月20日 17時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月13日 4時

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